「健康学部(ウェルネスカレッジオフィス)グローバルFD研修会」を開催しました

健康学部では3月16日に湘南校舎で、「2022年度健康学部(ウェルネスカレッジオフィス)グローバルFD研修会」を開催しました。以前から交流のあるデンマーク・VIAユニバーシティカレッジとコペンハーゲン大学の研究者を招き、今後の連携に向けて相互理解を深めようと本学部教育研究推進委員会が企画したものです。健康学部の全教員を対象とした全てのプログラムが英語のみで行われる初めての国際交流イベントですが、児童教育学部や経営学部からの参加者もありました。

初めに堀真奈美学部長が健康学部の教育方針や今後の展望、日本とデンマークの主観的な幸福度の違いなどを紹介し、「今日の交流を契機に双方の国の医療システムや健康増進のあり方の違いを知ると同時に、これからの健康学部における海外研究者とコラボレーションを考えるきっかけにしてほしい」と語りました。続いてコペンハーゲン大学パブリックヘルス学科准教授のシーネ・スミス・ヤーヴェルンド氏が「デンマークの医療制度と健康課題」をテーマに講演。「本学科は研究、教育、コミュニケーションを通じて国内外における公衆衛生の向上などを目指して1997年に設立されました。生物統計学、環境衛生、疫学、社会医療、一般診療、健康科学研究、グローバルヘルス、医学博物館と8つのセクションからなり、約350名のスタッフが在籍しています」と説明しました。また、デンマークの平均寿命は81.6歳で、EU平均よりは高いものの他の北欧諸国と比較すると低いことに触れ、死亡例の40%に行動要因や環境要因が関係している点も解説。同国の医療制度や電子カルテなども紹介し、人材不足、若者の精神的な健康状態の悪さといった現状と今後の課題についても語りました。

続いてVIAユニバーシティカレッジ保健福祉技術センターのシニア准教授のカリン・クリスチャンセン氏が、「ヘルステクノロジーを中心としたデンマークの健康課題」と題して講演しました。カリン氏はVIAでは2万名の学生が学んでいるといった概要や組織を紹介し、「私たちは一丸となってすべての学生に優れた教育プログラムと勇気、情熱、好奇心を授けられるよう取り組んでいます。テクノロジーの適用には倫理的な課題がある」と強調。医療従事者向けのバーチャルリアリティトレーニング「ViReTrain」や、重度の病気で学校に通えない子どもがオンラインで教育を受け、クラスメートと交流できる「ABILITI」を紹介し、デンマークの健康・福祉には多くの技術が使われていることも解説しました。講演後には教員から多くの質問が上がり、演者の二人が質問への回答を述べるとともに、ディスカッションが行われました。最後に、健康マネジメント学科長の菅野和恵教授が感謝の言葉を述べ、閉会しました。

翌17日には、運動、社会学、生命科学、メンタルヘルスが専門の教員が、それぞれ研究内容を紹介するとともに、研究施設も案内。今後の連携に向けて意見を交わしました。