KMITLの学生を対象としたラボトレーニングプログラムをオンラインで実施しました

東海大学では6月2日から7月16日まで、タイ・モンクット王ラカバン工科大学(KMITL)の学生を対象としたラボトレーニングプログラムをオンラインで実施しました。日本語や工学分野への理解を深めることなどを目的に、KMITLと本学との学術交流協定に基づいて実施している研修プログラムです。例年は両大学の学生が交換留学し、対面での研修を実施していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により昨年度は中止に。今年度はオンラインで実施し、工学部から電気電子工学科の稲森真美子准教授と材料科学科の宮沢靖幸教授、土木工学科の梶田佳孝教授の3研究室、理学部から数学科の山本義郎教授の研究室が研修生を受け入れました。

稲森准教授は無線通信技術の基礎知識やプログラミングについて講習したほか、両国の学生同士が自国の文化を紹介し合う交流の時間も設けて交流を図りました。「交流会を開いたことで双方の学生が打ち解け、タイの学生からも課題について積極的に質問が出るようになりました。日本人の学生にとっても視野を広げる貴重な機会。この研修をきっかけに、今後も学生間で交流を続けてほしい」と話します。宮沢教授の研究室では大学院生が自身の研究概要を説明し、スマートフォンで実験の様子をライブ中継する場面も。大学院総合理工学研究科の田島晃さんは、「普段私たちがどんな環境で実験をしているのか知ってもらうために、ライブ中継を考えました。『はんだ付け』や『ろう付け』を研究しているグループは日本でも数少ないので、紹介する機会を設けられてよかった」とコメント。宮沢教授は、「対面で一緒に実験や食事をして交流を深めることができないのは残念ですが、学生たちがオンラインでも創意工夫し研究を紹介してくれたので、その分成長につながったと感じています。タイの2名の学生にはこの研修で学んだことを自身の研究にも生かしてほしい」と期待を寄せました。

梶田教授は土木計画と防災都市計画をテーマに講義し、両国のまちづくりや防災について、それぞれの特徴や課題を掘り下げ議論を深めました。「タイの学生はとても熱心でまじめに受講し、積極的に質問してくれました。コロナ禍が収束して日本に来ることができた際には、ぜひ湘南キャンパスで学生と交流してほしい」と語ります。また、山本教授の研究室では、タイの学生がKMITLの寮で集計したアンケートをもとに、統計データの可視化に挑戦。最終日に作成したアプリを操作しながら研修の成果を発表しました。山本教授は、「アプリはとてもよくできていて、講義や大学院生の説明を深く理解してくれていたと感じます」と笑顔。研修生のサポートを担当した大学院理学研究科の棚橋真弓さんは、「英語でコミュニケーションをとるのは難しかったけれど、相手に伝わりやすい説明方法や資料の作り方を考えることは、自分の勉強にもなりました」と、約2週間の研修を振り返りました。