公開セミナーLet’s不思議!「農業で輝く!」を開催しました

公開セミナーLet's不思議!「農業で輝く!」を開催しました

九州キャンパス(熊本、阿蘇両キャンパス)が熊本日日新聞社と共催している「公開セミナーLet’s不思議!」を3月7日、熊本キャンパスで開催しました。本キャンパスが地域貢献活動として、学内の教員や学外の専門家が科学技術、政治経済、スポーツ、環境など時事問題や社会状況に合わせたさまざまなテーマについて開催しているもので、東海大学が文部科学省の採択を受けて展開している「To-Collaboプログラム」の一環です。

今回は「農業で輝く!! 熊本から未来の農業を考える」をテーマに、九州東海大学農学部卒業生で(有)木之内農園代表取締役会長、昨年熊本県教育委員会委員長に就任した木之内均氏による基調講演に加え、木之内氏と九東大農学部卒業で酪農家の後藤みどり氏、同じく農学部卒業生で熊本県立菊池農業高校教諭の細川るり香氏、本学農学部長の村田達郎教授によるパネルディスカッションを実施しました。

200名をこえる参加者が集ったセミナーで木之内氏は、「農業ビジネスの可能性」をテーマに講演。東京都出身で農学部卒業後、阿蘇キャンパスのある阿蘇郡長陽村(現南阿蘇村)で就農した木之内氏は、現在運営する観光農園や経営に携わる(株)花の海、理事長を務めるNPO法人阿蘇エコファーマーズセンターなどの事業について紹介しながら、家族経営の農場から始まった自らの人生を振り返り、農業法人運営の可能性について紹介。農業就業人口の減少や高齢化などで厳しい状況に置かれているが、「産官学連携プロジェクトや海外も視野に入れた農業戦略をたて、農産物生産から観光農園経営や加工品販売による6次産業化、さらに”農”を中心に教育や国際協力、エンターテインメント、福祉、環境などの分野を包括した新産業分野として『生命総合産業』を創造、確立していく必要がある」と力説しました。

後半のパネルディスカッションではまず、後藤氏が経営する「Winne Made Holsteins」について紹介、また細川氏は、菊池農業高校で取り組んでいる高校生による地域の農家での活動について話しました。また、村田教授は農学部における学生教育や研究活動について語り、「農学部では開設以来、実学を重視した教育研究に取り組んできました。現代社会は、物質の豊かさではない真の豊かさが問われる。その文化の礎を担う”農”の重要性を見直さなくてはならない」と提言しました。また、それぞれの活動についてパネリストが意見を交わし、木之内氏が、「農業という産業は”だめだ”と思い込んでいる人も多いが、農村以外の出身者のほうが魅力を感じていることも事実。農業県といわれる熊本は、気象や地理条件から見ると新規就農者を受け入れやすい環境ともいえます。地域や学校が連携して”ひとづくり”をしていかなくてはならない」とまとめました。

公開セミナーLet's不思議!「農業で輝く!」を開催しました