応用植物科学科の学生が酒米として人気の高い「山田錦」の研究に取り組みました

農学部応用植物科学科の阿部淳准教授が指導する作物学研究室に所属する4年次生が、本学部のモニター農家制度に参加している農家で酒米としてしられる「山田錦」の無肥料・無農薬栽培について研究しています。昨年秋に収穫された酒米は同じ阿蘇地域にある高森町の山村酒造や山口県萩市の澄川酒造場といった酒造メーカーに出荷されるなど、各地で好評を博しています。2月18日に阿蘇キャンパスで実施した阿部研究室の卒業研究発表会では、1年間本研究に取り組んできた正廣健人さんが「南阿蘇村で無肥料・無農薬栽培した酒米品種山田錦の生育と収量.―特に水管理に着目して―」と題して発表しました。

阿部准教授の研究室では、前任の片野學名誉教授の時代から酒米として人気のある山田錦を自然栽培する「喜多いきいきくらぶ」の会員農家と連携し、南阿蘇村の環境下において十分な収量と高い品質で栽培できるよう、適切な栽培管理の確立を目指して研究に取り組んできました。今年度の卒業研究として本テーマに取り組んだ正廣さんも、阿部准教授の指導の下、同じ研究室に所属する学生のサポートを受けながら活動。5月の田植えから会員農家のうち7軒を回り生育状況の観察や水管理の様子を調査するとともに、10月収穫期には全16農家の収量を調査したり、応用動物科学科のプラタン・ラジブ准教授の協力を得て玄米のタンパク含有量を計測したりする活動に取り組んできました。発表会で正廣さんは、稲の生育途中で田んぼの水を抜く中干しの回数や逆に田んぼ内の水を多くする深水管理が米の品質を決めるタンパク含有量に与える影響について解説し、「除草剤を使用しない栽培では。雑草防除との兼ね合いを勘案して深水管理の是非を検討していく必要がある」とまとめました。

発表を終えた正廣さんは、「モニター農家の皆さんとのつながりの中で研究に取り組めることに魅力を感じて、これまで長年続いてきたテーマを引き継ぎました。農家の皆さんとのコミュニケーションなどを通じて学ぶことも多く、また収穫の喜びも感じられるなど楽しく研究に取り組めました。少しでも生育にかかわった酒米が実際に流通していることを大変うれしく思っています」と話していました。

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