トウビシ果皮ポリフェノールとルテインによる白内障予防の可能性を明らかにしました

農学部バイオサイエンス学科の永井竜児教授が、参天製薬株式会社(以下参天製薬)と共同研究し、ヒシエキス(トウビシ果皮ポリフェノール)とルテインの混合摂取が、糖尿病モデルラットにおける白内障(水晶体混濁)抑制効果を示すことを明らかにしました。

白内障は、水晶体の一部または全部が何らかの原因で混濁する加齢性の疾患です。早い人は40歳代から混濁が始まり、80歳代では大部分の人が白内障を発症しますが、糖尿病の進展に伴って早期に発症する場合があることが知られています。その発症機構は解明されていないものの、水晶体混濁の一因として紫外線による酸化*1、糖化*2等が報告されています。

本研究は、糖化と酸化に着目し、抗糖化作用が確認されているヒシエキスと、抗酸化作用を持つルテインを糖尿病モデルラットに混合投与することにより、白内障が抑制されたことを初めて明らかにしました。この結果から、ヒシエキスとルテインの摂取が白内障の発症・進行遅延の一助となることが期待されます。

本研究は、2019年11月12日のJournal of Clinical Biochemistry and Nutrition*3に掲載されました。

研究概要は、下記のURLからご覧ください。

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP524165_W9A121C1000000/

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0524165_01.pdf

※永井先生が所属する研究室のホームページはこちらからご覧ください↓

http://www2.kuma.u-tokai.ac.jp/~rnagai/

*1酸化:たんぱく質などが酸素と反応し、変性すること。
*2糖化:たんぱく質が還元糖と非酵素的に反応し変性すること。糖化が進行すると終末糖化産物(AGEs: Advanced Glycation End-products)が生じる。
*3原著論文:www.jstage.jst.go.jp/article/jcbn/advpub/0/advpub_19-34/_article