建築学科の山川教授らの研究が「空気調和・衛生工学会賞」の技術賞を受賞しました

建築都市学部建築学科の山川智教授がこのほど、「第64回空気調和・衛生工学会賞」の建築設備部門で技術賞を受賞し、5月14日に東京都・明治記念館で開かれた表彰式に、研究を担当した卒業生とともに出席しました。

山川教授は2021年度、22年度、24年度、25年度にも同学会で受賞しており、今回は株式会社久米設計をはじめ、川崎市や三菱マテリアルテクノ株式会社などと取り組んできた「川崎市役所本庁舎における設備計画と性能検証」に関する功績が評価されました。老朽化に伴う建て替えにより、23年6月に都市型防災庁舎として竣工した川崎市役所本庁舎は、レジリエンス・省エネ・省資源が設計コンセプトに掲げられ、それらを実現する建築計画・設備計画が立案・実施されてきました。山川教授と研究室の学生たちは、24年度から、空調システムの運用改善と性能検証を実施し、システムのエネルギー効率を1.64から1.71に向上。運用改善による高効率運転の実現も受賞理由の一つに上げられています。

表彰式に出席した卒業生の栗田裕斗さん(建築都市学部建築学科2025年度卒・株式会社総合設備コンサルタント)と入江希来々さん(同)、相田心優さん(大学院工学研究科1年次生)は、「卒業研究として、空調設備の1時間ごとのエネルギーデータを分析し、運転状況や効率をグラフにして見比べて改善策を提案しました。提案反映後のデータを検証して、さらに改善提案を重ねていくのは膨大な作業でしたが、こうして評価していただけてうれしいです。企業に出向いて設計者の方へプレゼンして技術的なディスカッションを行う機会も貴重でした」とコメント。大学院に進学した相田さんは、「昨年度はすぐに実施可能な改善策から着手したので、今年度は長期的な改善策を探し、さらによい提案をしていきたい」と話しました。山川教授は、「企業の方々から『ここまでやるのですか?』と驚かれるほど、学生たちは本当によく頑張ってくれました。川崎市役所本庁舎は地震と川の氾濫など、2種類の災害が同時に起きても機能を維持でき、地上25階建ての高層ビルにもかかわらず、ZEB(Zero Energy Building) ready 基準を満たす省エネを実現しています。大学と同じ県内にある、こうした最先端の技術が導入された建物で学生たちが研究に取り組み、実際の建築設備や設計思想に触れながら学べたことは、とても貴重な経験になったと思います。今回の経験を生かし、将来は学生たち自身が、さらに優れた建築や設備を社会に提案していってくれることを期待しています」と話していました。