建築学科の松井さんが「第23回住宅課題賞2023」で審査員賞を受賞しました

工学部(建築都市学部)建築学科3年次生の松井京一さんが、11月18日に東京都江東区の竹中工務店東京本店で開かれた「第23回住宅課題賞2023」(主催:一般社団法人東京建築士会)の公開審査で審査員賞「渡邊大志賞」を受賞しました。住宅課題賞は、建築の基本である住宅設計を通して建築への興味と社会的な意義への認識を深めることなどを目的に開かれています。40大学から推薦された55作品の模型とパネルを審査員が巡回審査し、上位16作品による最終投票で優秀賞3点、審査員賞5点が選ばれました。

松井さんの作品「樹に佇む住まい」は、昨年度秋学期の授業「デザイン4・演習」の課題「樹木と家 領域と境界を考える」として制作したものです。住宅の庭に造られた「屋敷林」の景観が残る鵠沼地区の敷地が課題に設定され、松井さんは家の中のどこからでも樹木を見ることができる三次元曲面を意識した建築を考案。住民は画家の夫婦とその子供で、趣味が茶道といった設定を考えてそれらに対応する機能も持たせました。「室内から樹を見る住宅を考えたときに、壁を排除して屋根だけで作れないかと考えました」と振り返ります。公道側は屋根を地面すれすれまで下に伸ばすことでプライベート空間を演出し、絵画を飾る画廊部分は屋根を高くして道行く人からも見えるように工夫しました。さらに、多くの樹が生える庭側は屋根を高くしてガラス張りとし、教員のアドバイスも受けて床を地面より低くしました。「一般的な家具の高さと合わせて800mmほど床を下げ、椅子に座ったときに普段とは異なる目線で樹が見られる建築にしました」と話します。屋根に覆われた2階は寝室や子ども部屋とし、1階には茶室も設けました。

松井さんは、「初めてのコンペで受賞でき、結果が発表されたときは思わずガッツポーズをしてしまうほどうれしかったです。三次元曲面を使った建築はバランスが難しく、模型を作るのも苦労しましたが、制作を通して今後も柔らかさをテーマに作品を作りたいと考えるようになりました」と学びを得ていました。