建築学科の篠原准教授が空気調和・衛生工学会の振興賞技術振興賞を受賞しました

建築都市学部建築学科の篠原奈緒子准教授がこのほど、公益社団法人空気調和・衛生工学会の「第38回振興賞技術振興賞」を受賞。5月17日に福岡県・福岡商工会議所ビルで表彰式が行われました。同賞は、空気調和・衛生工学と工業の振興と発展および新進の研究者・技術者の育成を目的に、会員らの論文や業績などを対象に表彰しているものです。今回受賞したのは、2021年4月にJR九州熊本駅前に竣工した「JR熊本駅ビル」で、篠原准教授は株式会社日建設計に所属していた当時、照明計画(自然採光のシミュレーションおよび植栽育成用照明)と竣工後の光環境の検証・評価を担当しました。

写真提供:株式会社エスエス

JR熊本駅ビルには商業施設「アミュプラザくまもと」とホテル「THE BLOSSOM KUMAMOTO」が入っており、自然が人に与えるよい影響を都市や建築に取り込む「バイオフィリックデザイン」が採用されています。具体的には、阿蘇郡小国町の名所である「鍋ヶ滝」をモチーフとした落差約10m、幅10mの滝と、7階までの吹き抜け空間に熊本の自然を再現した立体庭園を設け、緑、光、音、風をデザインしています。篠原准教授は、立体庭園の自然採光をシミュレーションし、植物の配置案の検討のために建物内のどの位置が自然光が多い環境となるかを検討するとともに、植物の育成に必要な光の不足分を補う人工照明の配灯、夜間の点灯スケジュールを決定。竣工後は、自然採光の季節別の物理量の確認と合わせて、人が多く滞在する場所の快適性などを調査して検証・評価しました。篠原准教授は、「過去の気象データから植栽に必要な明るさの積算量などをシミュレーションし、計画を立てました。自然採光による効果について、物理量のみならず快適性などの心理量についても検証し、自然の要素を建物内に取り入れることが顧客満足度を向上させるというエビデンスの一端も実証できました」と振り返ります。受賞については、「建物内に滝を再現するのは新しい取り組みで苦労も多かったのですが、さまざまな分野の人が工夫を凝らして形にできました。この賞は一般的には光環境や音環境は評価対象にはなりませんが、光や音を取り入れた環境全体への工夫が評価されてうれしい」と話していました。