山花ゼミの卒業生を紹介します

1.大学での学びと時間~アジア学科だからこその出会いと経験~
 私は人生初の海外旅行がエジプトでした。そこで古代エジプト建造物や遺物に魅了され、大学で「古代エジプトについて学びたい!研究したい!」という思いから東海大学に進学しました。東海大学には「古代エジプト及び中近東コレクション(略称AENET)」と呼ばれる、エジプトを始めとする中近東地域の遺物を所有しているため、実物に触れながら研究できる環境があったため、とても充実した学びを得ることができました。
 学部1年の頃からユニークプロジェクトのEgyptian Projectに参加し、2年生と3年生の時はリーダーを務めました。プロジェクトでは前述したAENETの整理やワークショップ、遺物の展示解説など様々な活動を経験しました。この活動で特に印象に残っていることは2016年に東海大学で行われた日本文化財修復保存学会での遺物の展示解説です。私がリーダーになって最初の大きな企画でした。この展示に向けて多くの遺物についてメンバーで調べ、情報を共有する勉強会を実施しました。さらに高さ2m近くある古代エジプトの円柱を発泡スチロールで復元したり、メンバーと協力して成し遂げることができました。日本文化財修復保存学会での展示解説以降も建学祭のワークショップで賞をいただくなどメンバーと協力して多くのことが経験できました。この活動を通じて多くの学びを得たと同時に、生涯の友人に出会うことができたと思います。 
 研究についてはプロジェクトの活動から1年生の頃から研究室に顔をだし、少しずつ勉強をしていました。2年生からは本格的にエジプト関係の授業を履修しました。中でも「古代エジプト文明」と「アジア文献諸語演習A(古代エジプト語:ヒエログリフの読解)」を通じてエジプトに関する基礎知識を学び、そこから自身の研究テーマを考えました。そして3年生から山花先生のゼミに入りました。当時「古代エジプトの戦争」に関心があった私は、エジプトの武器について調べました。その中で壁画などで描かれていた「ケペシュ剣」と呼ばれる外来の剣に関心を持ち、その起源や役割について研究することに決めました。この研究は大学院の博士課程前期(修士)を修了するまで続けました。またこの研究成果は「エジプト学のみらいー私たちのエジプト研究―」と題して2018年11月に大阪府立弥生博物館で発表も行いました。このように学部生から大学院生まで研究に打ち込むことができたのは、東海大学の環境があったからこそだと思います。

2.今後について
 研究してた頃は自分の疑問を解決するために様々な調査をしてきましたが、今は中学生の学習をサポートする立場になりました。特に英語は私自身とても苦労したので、生徒たちがつまずいてしまうのもよくわかります。なのでこれまでの学びや経験を活かして生徒が英語を理解して、何より楽しいと思ってもらえるように授業ができるよう精進したいと思います。これまで古代のことばかり考えていましたが、これからは未来を担う子どもたちのことを考えていきたいと思います。

3.最後に一言「東海大学で学生生活をおくれてよかったです」
 東海大学ではやりたいことに打ち込めることと、同じ目標に向かって頑張ることができる仲間が集まる場所だと思います。そのおかげで私は大好きな古代エジプトがもっと好きになれたし、今後も学び続けたいと思えました。また生涯大事にしたい友人、心から尊敬できる恩師とも出会うことができました。今現役の学生さん、今後アジア学科に入る人も自分の可能性を広げる学びや出会いがあることを心から願っています。