北欧学科教員エッセイ「コペンハーゲン中央駅のウクライナ国旗」

先日、6年ぶりにデンマークを訪問した。その際カストロプ空港からコペンハーゲン中央駅まで列車で移動し、駅の構内に入って驚いた。あちらこちらにウクライナ国旗とデンマーク国旗が交互に掲揚されているのである。デンマーク人のウクライナに対する熱い支持がこちらにも伝わってくる。

歴史を振り返るとデンマークは1940年4月9日、不可侵条約を結んでいたドイツに突然侵入され、その後5年間にわたって占領された。当初は協調的であった統治も次第に厳しさを増し、最後はドイツ軍による軍政がしかれる中、抵抗運動も盛んに行なわれた。このような歴史的経験があるから、デンマーク人はウクライナを応援するのである。

中央駅から歩いて10数分の市庁舎にも青と黄色のウクライナ国旗が掲揚されていた。さらにポリチケン新聞社の社屋にも同じ色の旗がはためいていた。デンマーク人の連帯の思いに心が熱くなった。

(執筆担当:佐保吉一) 

ウクライナ国旗とデンマーク国旗が交互に掲揚されているコペンハーゲン中央駅の様子(筆者撮影)