毎年、人事院は、主として総合職試験に合格して新規採用された全府省の職員を対象に初任行政研修を実施しています。この研修の狙いは、新規採用された職員が「倫理観、使命感の涵養、行政ニーズの多様化、国際化等への対応、セクショナリズムの弊害の排除等を基本的な視点として、国民全体の奉仕者としての自覚、施策を遂行する上での基礎的素養・見識を身につける」(人事院HPより)ことにあります。
令和6年度は5月から7月にかけてこの初任行政研修が実施され、およそ787名が7つのグループに分かれ、1日(オンライン)+1週間(合宿)+1週間(地方自治体実地体験)+3日間(通勤もしくは合宿)の合計約3週間のスケジュールで寝食を共にしながら、公務員のあり方や公務員倫理などを学ぶほか、政策課題についてのグループワークに取り組みます。さらには被災地復興・地域創生プログラムとして地方自治体を訪問するなどのカリキュラムが用意されています。
★公務員研修所のHPはこちら
https://www.jinji.go.jp/kensyusyo/gyoseikensyu/kobetsu/course-syonin.html
★初任行政研修の報道発表のページはこちら
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2404_syonin.html
今回、秋朝教授が研修講師を務めたのは、研修グループの最終組G(研修期間7月8日~7月24日)の7月23日午後に開講された特別講義です。特別講義は「公務部門におけるダイバーシティ:スウェーデンを事例として」と題し、スウェーデンにおけるジェンダー平等の取組みや現状、今後の課題について紹介したのち、18の班に分かれてそれぞれの職場におけるジェンダー平等についてディスカッションをしてもらいました。任意提出のコメントペーパーは75通集まり、また講義後に研修講師に質問や議論を求めるなど、研修生らは熱心に取り組んでいました。「私(秋朝)が以前国家公務員として勤務していた頃と比較すると、ジェンダー平等の考え方が特別なことではなくなっている様子がうかがえました。あとは具体的な施策。国家公務員の職場がジェンダーその他の属性に関わらず働きやすい環境になることを期待したいです」(秋朝談)。