「北欧文化論/北欧文化概論」の授業でゲストを招いた特別講義を実施しました。

文化社会学部北欧学科では5月13日に湘南校舎で、北欧文化を学ぶことを目的とした開講科目「北欧文化論/北欧文化概論」(担当教員:柴山由理子講師)の一環として、ゲストを招いた特別講義を実施しました。この講義では、北欧映画を鑑賞して考察を書く課題を設けており、今回は北欧のガイドブック制作や講演会などで活躍するライターの森百合子氏と、北欧映画祭のコーディネーターを務める雨宮真由美氏を講師に招きました。北欧映画の魅力や特徴などついて、より深く理解してもらう機会とすることが目的です。学生約80名が参加しました。

当日は、事前に学生から集めた質問に柴山講師とゲストの2名が回答。初めて鑑賞した北欧映画や出会ったきっかけなどについて話すとともに、他国の作品との違いを紹介しました。森氏は、「ハリウッド映画は、敵と味方など人間関係の立ち位置や主人公の心情を分かりやすく表現している作品が多くあります。ですが、北欧映画は登場人物が何を考えているのか分かりにくい演出が見られるのが特徴的で、これは実際の人間関係で感情が割り切れない様子をうまく描いています。また、社会的弱者や社会の厳しさをリアルに描いており、ハッピーエンドにならない後味が悪くも現実味のある作品や知的好奇心をくすぐるミステリー作品などが多くみられます。観る側の視点によって、さまざまな捉え方ができるのが北欧映画の1番の魅力です」と話し、学生に見てほしい作品を紹介しました。

続いて、スウェーデンやデンマークをはじめ、国ごとの代表的な作品や俳優、特徴、時代背景などについて説明。講演の最後には、雨宮氏が「社会や人間のよい部分も悪い部分も映し出すのが北欧映画。ストーリーとは別のところで小さな物語が描かれてこともあるので、細部にも目を配ってもらえるとまた違った発見があると思います。作品の面白さや好きなジャンルに縛られることなく、さまざまな作品を観ていただきたい」と学生にメッセージを送りました。

柴山講師は、「北欧映画をあまり鑑賞していない学生にも、北欧文化や鑑賞する上でのポイントなどとても貴重な学びになったのではないかと思います。また、学生から寄せられた質問の中には、なかなか鋭い視点や価値観が含まれたものもあり、講演した私たち自身も学びになりました」と話していました。