「文化社会学部2019年度第1回研究交流会」を開催しました

文化社会学部では5月29日に湘南キャンパスで、「2019年度第1回研究交流会」を開催しました。この取り組みは、研究と教育の融合と教員間の交流の促進を目的として、各回2名の教員が研究内容や授業への反映の仕方などを報告するとともに、参加者との間で意見を交換するものです。今回は、アジア学科の李穂枝講師と文芸創作学科の青山七恵講師が登壇しました。

李講師は、学生時代に日本やイギリスを訪れたことが19世紀後半の東アジアの国際関係を研究するきっかけになったと説明。日清戦争時に、清・日本・朝鮮がどのような関係を築いていたかを、三者それぞれの視点から解説する授業の展開方法を紹介しました。李講師は、「高校まで歴史の授業が苦手だった私が海外旅行や留学を機に興味を持ったように、学生にもきっかけが必要です。これまで日本で学んできた歴史が他国ではどう語られているのか、韓国映画を見せるなどして問題意識を持ってもらえるよう工夫しています」と語りました。

作家として活躍する青山講師は、芥川龍之介賞を受賞した小説『ひとり日和』(河出書房新社)をはじめ、14年間で19作品を世に送り出してきた経歴や、文芸賞の選考委員といった活動を紹介。専門である純文学の発行部数が年々減少していることから、「”読むスペシャリスト”の育成を目標に掲げ、授業では一人ひとりが書いた小説をほかの学生に向けて発表してもらったうえで、テーマを設けてディスカッションをしています。作者の意図やテーマを考えるのではなく、そこに何が書かれているのか、自分はどう思うのかを考え披露することを通じて、それぞれの『読み方』を共有するように仕掛けています」と授業のポイントを解説しました。

両講師の報告後は、参加した教員から多くの質問や感想が寄せられ、活発な議論が交わされました。

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