北欧学科の新カリキュラム「アイスランド概論」が開講しています

文化社会学部北欧学科では、今秋学期から1年次生が対象の新カリキュラムの中で初年次科目「アイスランド概論」(担当教員:柴山由理子講師)の開講を始めました。この授業は、アイスランドの国土や社会、文化、日本との関係性などを包括的に学び、基礎知識を習得することを目的としています。本学科の前身である文学部北欧文学科は1967年に創設され、これまで北欧5カ国の言語学習に加え、各国について全般的に学ぶ「デンマーク概論」「スウェーデン概論」「フィンランド概論」「ノルウェー概論」を開講してきました。アイスランドに関する「アイスランドのことばと文化」という授業は開講されてきたものの、概論科目はこれまで開講されていませんでした。アイスランドは人口37万人の小国である一方、国の平均的な豊かさを表す一人当たりGDPが日本より上位であるだけでなく、「ジェンダーギャップが最も小さい国」や「再生可能エネルギーへの転換が進む国」として近年注目が高まっています。さらに、2002年にはアイスランドのヴィグディス・フィンボガドッティル大統領が湘南校舎に来訪され、2019年にもグズニ・ヨハンネソン大統領とアイスランド大学学長の訪問を受け、本学とアイスランドとのかかわりが深まっています。アイスランド概論が開講することでさらなる関係構築につながることが期待されます。

9月30日の初回授業では、初めに柴山講師が授業概要や目的を説明。在日アイスランド大使のステファン・ホイクル・ヨハネソン閣下から本授業を受講する学生に向けて送られたビデオメッセージも上映しました。ヨハネソン大使は、「アイスランドについて学ぼうとしていることに感謝します。授業を楽しみながら歴史や言語、文化を学んでいただきたいと思います。いつの日か皆さんにアイスランドを訪れてほしい」と語りました。続いて、柴山講師がコメントペーパーを配布し、学生たちはアイスランドについての知識や関心のある分野、受講理由などを記入して発表しました。「人口の大半が沿岸部に集中している」「世界でも有数の火山国」「ジェンダーギャップ指数が何度も1位に輝いている」といった情報が出され、すでに知っている内容に対して頷く様子や新たな発見に驚く姿が見られました。

学生からは、「セクシュアルマイノリティについて関心があり、ジェンダー平等と言われているアイスランドはどのような取り組みによってその成果を出しているのか理解を深めるきっかけになればうれしい」「他の北欧4カ国に比べるとアイスランドについての知識はかなり少ないので、この授業で学びを深めたい」など授業への期待が聞かれました。

柴山講師は「日本国内の大学で、アイスランドの言語以外について包括的に学ぶ授業が開講されるのは初めて。基礎的な知識を学んでもらうとともに、学生たちの関心のある分野を交えながら、授業を進めていきたい」と話しています。