文明研究所所蔵の文化財コレクション研究を目的にブリガム・ヤング大学の研究者が来学しました

アメリカ合衆国ユタ州ブリンガム・ヤング大学宗教学部古典経典学科のケリー・ハル教授とリンカン・ブルメル准教授が4月25日に、湘南キャンパスを来訪。本学文明研究が所蔵する古代エジプト及び中近東コレクション(AENET)の中から、未刊行のパピルス文書と南アラビア語碑文を調査しました。

本学の所蔵コレクションには約400片のパピルス文書が含まれていますが、そのうち約50片のヒエラティック(古代エジプト神官文字)とデモティック(古代エジプト民衆文字)、ギリシア語文書は、2016年に『The Demotic and Hieratic Papyri in the Suzuki of Tokai University, Japan』として刊行しています。ハル教授やブルメル准教授らによる研究グループでは、未刊行のパピルス片から新たに紀元後6世紀ごろのビザンツ時代の文書を発見しており、現在解読が試みられています。ハル教授らは古代諸言語に造詣が深いため、AENETコレクション中の南アラビア語碑文全点についても調査を実施。碑文の中には、土地の支配者の名前が後代の支配者によって削り取られているものもありましたが、陰影を強調した写真撮影によって解読が可能であることが判明しました。今後は文化社会学部アジア学科の山花京子准教授との意見交換を続けて解読を試み、成果を発表する予定です。

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