北欧学科が特別授業「アイスランドのことばと文化」を実施しました

文化社会学部北欧学科(文学部北欧学科)では6月8日に湘南キャンパスで、アイスランドからのゲスト講師を迎えた特別授業を実施しました。本学科の開講科目である「アイスランドのことばと文化」(担当教員=森信嘉教授)と「北欧の教育・文化政策/北欧の思想とアイデンティティ」(担当教員=柴山由理子講師)の履修学生を対象としたもので、当日は約90名が出席しました。

授業は、北欧5カ国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)の協力によって運営されている文化組織「Nordic House」(在レイキャヴィク)に勤務し、アイスランド大学非常勤講師も務めるクリスティン・イングヴァルスドッティル氏がゲスト講師を務め、「アイスランドのことばと文化」がテーマ。クリスティン氏は、一橋大学大学院の博士課程を修了し、2005年の愛知万博(愛・地球博)で北欧共同館の館長を務め、現在は日本・アイスランド関係史を執筆しています。今回の授業は、調査のため来日しているクリスティン氏と森教授が旧知の関係であることから、学生にアイスランドの歴史や文化、現状をより詳しくしってもらう機会をつくろうと企画しました。

クリスティン氏はまず、自らがプログラムマネジャーを務める「Nordic House」の概要について、「北欧5カ国が協力して運営しており、北欧圏に共通するテーマについてアイスランド国内をはじめ世界に発信する役割を担っています」と説明。続いてアイスランド大学や北欧協力の在り方などについて解説したほか、アイスランドの歴史について西暦870年ごろにノルウェー人によって発見されたころから、デンマークによる統治時代やイギリス、アメリカの占領期を経て金融国家として発展した近代史に至るまでを詳しく紹介しました。最後には学生との質疑応答も行い、「アイスランドは苗字がないと聞きましたが、詳しく教えてください」との質問に、「アイスランド人は姓がなく、ファーストネームと、父親の名前に加えて女性であれば『ドッティル』を、男性は『ソン』を付けます。私の場合は父の名前である『イングヴァル』の娘『ドッティル』という意味で『イングヴァルスドッティル』となります」と答えると興味深そうに聞き入る学生の姿が見られました。

最後には森教授も壇上に立ち、アイスランド語の会話を実践。クリスティン氏は学生たちに向けて「アイスランドはとても美しい国です。ぜひ一度訪ねてください」と呼びかけました。参加した学生からは、「とても分かりやすかった。アイスランドについて多くの新たな事実を知ることができた」「ネイティブのアイスランド語を初めて聞き、貴重な体験ができました。森先生とクリスティン先生の会話を途中までだが聞き取れてよかった」「大統領に女性が選ばれるなど、女性の社会進出が国民に早くから受け入れられているところに興味を持ちました」といった感想が聞かれました。

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