中高生対象の化学教室「『香り』の化学を体験しよう!」を開催しました

工学部応用化学科では8月8日に湘南キャンパスで、化学教室「『香り』の化学を体験しよう!~エステルの合成~」を開催しました。神奈川県内の大学や科学館、企業などを訪れ、ものづくりの楽しさや科学の素晴らしさに触れることで将来を考えるきっかけにしてもらおうと、県が実施している「令和5年度 中高生サイエンスキャリアプログラム」の一環で開いたものです。当日は、中高生15名が参加し、応用化学科の教員5名と有志学生4名が協力しました。

初めに、樋口昌史教授が実験用具や薬品を解説するとともに、実験の流れや注意事項を説明。「香りの元になるエステルは、カルボン酸とアルコールが反応してできた有機化合物です。たくさんの種類があり、組み合わせによってさまざまな果物のにおいがするので、さっそく体験してみましょう」と呼びかけました。続いてグループごとにカルボン酸とアルコールを試験管に入れて湯煎で温め、臭いを確認しました。中学校や高校の化学部に所属している生徒も多く、「学校ではできない実験なのでとても楽しい」「簡単なのに、薬品を変えると臭いも変わって面白い」と興味津々の様子。「バナナの香りがする!」「酸っぱいにおいだけど、何に似ているんだろう……」と口々に話しながら、化学構造式や果物の名前をメモし、学生や教員のアドバイスを受けて実験を重ね、最後に樋口教授の解説で答え合わせをしました。

学生たちは、「どのような言葉で伝えたら中高生にも分かりやすいのかを考えながらサポートしましたが、やはり教えるのは難しい。もっと知識を身につけたい」「試験管の中で色が変わったり、二層に分かれたりと、反応が起こるごとに声をかけて、気づきを与えられればと考えていました。私自身、過去に東海大学の実験ショーを見て応用化学科に進学したので、参加者の皆さんも将来を考えるきっかけになれば」とコメント。樋口教授は、「理系離れと言われて久しいですが、こうして自分の手を動かし、体験することで、楽しさを知ってもらえればと思い、今年初めて企画しました。理系に興味を持つ生徒が一人でも増えればうれしい」と話していました。