総合科学技術研究所の長谷川教授が「大学見本市2023~イノベーション・ジャパン」に出展しました

総合科学技術研究所の長谷川真也教授(工学部機械工学科)が、8月24日、25日に東京ビッグサイトで開催された「大学見本市2023~イノベーション・ジャパン」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構)の「カーボンニュートラル・環境」分野に研究成果を出展しました。この催しは、全国の大学や公的研究機関等から創出された研究成果の社会還元や技術移転の促進、実用化に向けた産学連携等のマッチング支援を目的とした国内最大級の産学連携イベントです。

長谷川教授の発表テーマは、「熱から冷却・加熱・発電が可能な熱音響システム」です。熱音響システムは、工場や自動車などで化石燃料の燃焼によって生じる排熱(空気中に捨てられる熱)を回収して再利用する技術で、細い管に一定値以上の温度差を設けることで発生する音波を用いて発電、冷却します。カーボンニュートラルの実現に対応するシステムとして注目されており、すでに、長谷川教授が共同研究を続けてきた中央精機株式会社(愛知県安城市)に導入。生産ラインにおける設備の排熱を利用する実証実験が行われるなど、広く社会実装するための研究が進展しています。

ブースには、自動車や電気機器関連企業などに所属する研究者らが多数訪れ、長谷川教授や大学院生、学部生が実験装置でデモンストレーションをしながら熱音響システムのメカニズムや活用法などについて説明。大学院生は、「現在は、より低温で、より効率的にエネルギーを引き出すための研究に取り組んでいます。稼働部品を使用せずに発電や冷却ができるのもこの技術の魅力の一つです。来場者にメリットや可能性をしっかりと伝えたい」と意欲を見せていました。

長谷川教授は、「見本市は、研究成果の発表や企業とのコラボレーション創出の機会であるとともに多様なアイデアをもらえる場でもあり、今回も有意義な意見交換ができました。今後も、より広い活用を目指して熱音響システムの性能を高め、社会に貢献していきます」と話していました。