機械工学科の宮沢教授が藤嶺学園藤沢高校で出張講義を行いました

工学部機械工学科の宮沢靖幸教授が9月22日に、神奈川県藤沢市にある藤嶺学園藤沢高校で出張講義を行いました。同校が2年生を対象に実施している「大学を考える」の授業の一環で、2013年度から依頼を受けて毎年実施しています(2020、21年度はコロナ禍の影響で中止)。今回は「材料から知る工学(エンジニアリング)の奥深さ~飛行機や新幹線と蜂の巣の意外な関係~全てのモノづくりは金属材料と接合技術が起点だ!」と題して講義と実験を行い、約30名の生徒が受講しました。

宮沢教授は、長年にわたって研究している「ろう付け」が自動車エンジン部品や高機能なエアコン、冷蔵庫などの製造に必要な技術であることをはじめ、工学部の特徴、湘南キャンパスの規模などを紹介。輸送機器の車輛に必要な材料と関連技術、車輛重量などについても解説し、「段ボールやプラスチックなど軽い材料はいろいろありますが、旅客機の機体は軽くて強い材料で作る必要があります」と説明しました。正六角形柱が隙間なく並んだハチの巣状の「ハニカム構造」を使ったサンドイッチパネルの製造方法について話した後、生徒たちは宮沢教授が厚紙で作ったパネルに乗って強度を確認しました。続いて、天気予報に用いられる衛星打ち上げに必要なロケットエンジンの部品を見せながら仕組みを説明。形状記憶合金について、「特殊な方法で形を覚えさせ、設定した温度になると覚えた形に変形します。その機能を利用した製品がメガネフレームです」と話し、生徒たちは実際にバネ状の形状記憶合金を伸ばしてお湯につけると元に戻る実験を体験しました。

宮沢教授は、「普通科の高校には文系・理系の大学出身の教員がいますが、工学部出身の教員はほとんどおらず、生徒たちにとって工学は少し遠い存在になってしまっています。講義だけではなく、展示や実験を通して自分の目で見て体験することで、興味を持ってもらうきっかけをつくりたい」と話します。「講義から2日後にパシフィコ横浜で開催された大規模進学相談会で、“講義が興味深く楽しかった”といって東海大学のブースに来てくれた生徒がいたそうで、大変うれしく感じています。今後もこうした活動を続けていきたい」と話していました。