大学院生が日本建築学会材料施工委員会の若手優秀発表賞を受賞しました

大学院工学研究科建築学専攻の奥墨直人さん(2年次生)と、藤井佑太朗さん(1年次生)がこのほど、日本 建築学会材料施工委員会の若手優秀発表賞を受賞しました。この賞は、昨年9月に実施された2014年度日本建築学会大会(近畿)学術講演会に参加した29 歳以下の研究者の口頭発表の中から、優れたものに贈られています。

奥墨さん(指導教員=建築学科・藤井衛教授)は、土に水とセメントを混ぜてできる「流動化処理土」に、コンクリートの補強材として広く用いられてい るPVA繊維を混ぜた建材を使って、奥行き2.5m×幅4m×高さ2mの物置小屋と傾斜地が崩れることを防ぐ擁壁を施工した結果を基に、建材として使用し た場合の特徴やコスト面での課題を報告しました。一方藤井さん(指導教員=建築学科・横井健講師)は、これまで技術者の経験に頼る部分が多かった床の下地 と仕上げ材の関係を分析。コンクリートの床下地に仕上げ材を貼る際に、下地中の水分量の違いが、仕上げ材の接着力に与える影響を明らかにした成果を発表し ました。
奥墨さんは、「建築材料の研究は、建築家が考えたデザインを実現するときに必要になるものなので、大変やりがいを感じています。今回発表した技術もすぐに 国内で役立つことは少ないかもしれませんが、発展途上国や樹木の少ない地域では有用な技術だと考えています。卒業後は地盤の安全性を検査・保障する会社に 就職する予定です。これからは第三者の目線から住む人の安心を保障する仕事に取り組んでいきたいと思います」と話しています。

藤井さんは、(指導教員=建築学科・横井健講師)「家の中で人が生活するうえで最も多く触れる床面を研究したいとの思いから、この分野に取り組んで きました。今回の発表では発表後の質問時間が足りなくなるほど多くの方から質問を寄せていただき、自分が取り組んでいる研究のニーズの高さを改めて感じる ことができました。これからも世の中の約に立つ研究に、楽しみながら取り組んでいきたい」と語りました。
なお奥墨さんは、第49回地盤工学研究発表会優秀論文発表者賞も受賞しました。

大学院生が日本建築学会材料施工委員会の若手優秀発表賞を受賞しました