大学院生が日本液体微粒化学会で優秀講演賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の佐々木工典さんがこのほど、日本液体微粒化学会の優秀講演賞を受賞しました。この学会は、液体の微粒化に関する研 究の進歩と工業の発展に寄与することなどを目的に、国際液体微粒化学会のアジア地区における拠点として活動しており、研究者や技術者が最新の研究報告をす る場として「微粒化シンポジウム」を年1回開催しています。優秀講演賞は、シンポジウムでの発表者の中から40歳以下の若手研究者を対象に贈られるもの で、今年は37件の発表の中から4件が受賞しました。

佐々木さんは昨年12月18日、19日に開かれたシンポジウムで、「ノズル噴口径と燃料噴射期間が噴霧燃焼に及ぼす影響」と題し、工学部機械工学科の畔津 昭彦教授のもとで取り組んでいる研究成果を発表しました。この研究は、近年注目を集めているディーゼルエンジンの性能向上を目指す基礎研究で、エンジン内 に燃料を噴射する「インジェクタ」のノズル径と燃料噴射期間の違いが、窒素酸化物やススの排出量などの排気特性に与える影響を明らかにしました。

佐々木さんは、「まさか賞をいただけるとは思っていませんでしたが、企業の研究者も多く参加する学会で成果を高く評価していただけたことをうれしく思いま す。内燃機関の研究はすぐに成果が出る訳ではありませんが、私自身、先生との日ごろのディスカッションや学会発表を通じて未来のエンジンの姿を私なりに描 けるようになってくるなど、研究を進めていくことの意義を実感できるようになってきています。将来は環境性能の高いエンジンの開発を通じて社会に貢献した いと思っており、在学中にはエンジンの性能を向上させる方法を総合的に明らかにできるよう研究を重ねていきたいと考えています」と話しています。

畔津教授は、「乗用車の分野では電気自動車やハイブリッドカーの開発が進んでいますが、トラックや船などの大型の乗り物を動かすためには、ディーゼルエン ジンが欠かせません。ヨーロッパではクリーンエンジンとして広く普及しており、また中国でも盛んに人材の育成と研究が進められているなど世界的に視野で見 れば未来への可能性がある分野でもあります。これからも佐々木さんに続く多くの学生がこの分野の研究に取り組んでくれることを期待しています」と話してい ます。

大学院生が日本液体微粒化学会で優秀講演賞を受賞しました