大学院生が宇宙建築賞で入賞しました

大学院工学研究科建築学専攻の学生が考案した2作品が、昨年12月に審査結果が発表された「第1回宇宙建築賞」で入賞しました。この催しは、宇宙飛行士の 山崎直子さんをはじめ建築家や研究者の有志からなる宇宙建築の会が企画。全国から44件の応募があり、東海大学からは大学院工学研究科建築学専攻の開講科 目「建築空間計画特論」の受講生4チームが出品しました。

入賞したのは、円筒形の空間に地球と火星の環境を再現した多目的開発拠点「螺旋回廊」(土方拓海さん、木村翔太さん、佐々木翔さん)と、太陽光をエネル ギー源として使う月面居住施設「光竹」(石川雄斗さん、高田大暉さん、森翔馬さん)の2作品です。宇宙建築の会の一員で授業を担当した十亀昭人准教授の指 導のもと、惑星や月の日照時間や重力の大きさを考慮し計画。書籍や映画なども参考にしながら、宇宙開発で考えられる潜在的なニーズを考え、プランを提案し ました。両作品とも目先の実現可能性だけでなく、アイデアの面白さが評価されました。

土方さんは、「通常の授業では地球上に建てる建築物の設計などに取り組んでいますが、今回は宇宙空間や惑星に作るものだったので、これまでの知識や経験が 役に立たず最初は戸惑いました。しかし、映画や書籍を参考にしながら自分たちなりに調べていくことで、宇宙への興味もわきましたし、建築の可能性をあらた めて実感する機会にもなりました」と語りました。また木村さんは、「現在国内外で検討されている火星への移住計画を参考にしながら、そのために必要な施設 は何かを話し合う中で、開発した機器や植物が火星の環境で使えるのかを確認する施設が必要だと考え、今回の提案をしました。普段とは違う視点で建築物を考 える中で、当たり前のように使っていた”建築”という言葉の定義をあらためて考えさせられました」と話しています。

十亀准教授は、「スペースコロニーや実験施設などは1980年代に建設会社でもいくつかのプランが作られましたが、その後新しい発想に基づく革新的なプラ ンが出てきていないのが現状です。今回の催しも専門分野を問わず幅広い人からアイデアを募り、宇宙の専門家では考えつかないような新しい発想を取り入れた いとの考えから企画されました。宇宙建築の会では来年度もこの催しを続けていく予定なので、多くの人に応募してもらいたい」と話しています。

大学院生が宇宙建築賞で入賞しました