光・画像工学科の前田教授と研究員の研究グループが2つの学会で受賞しました

工学部光・画像工学科の前田秀一教授と黒田章裕研究員らの研究グループが、11月21日に画像関連学会連合会第1回秋季合同大会の優秀ポスター賞と、日本画像学会研究討論会のベストポスター賞を受賞しました。 いずれも各学会が2014年11月に開催した研究会の発表者のうち、優秀なポスター発表に対して贈られたものです。

受賞した研究は、2次元の映像を投影すると3次元の映像として表示することができる新しいスクリーンの研究成果です。3次元の画像を表示するためにはこれ まで、専用メガネを使う方法やプロジェクションマッピング、ホログラムといった技術が用いられてきましたが、いずれも専用ソフトを用いた特殊な加工が必要 であり、コストが高いというデメリットがありました。前田教授と黒田研究員は、透明の樹脂シートの表面にチタンのナノ粒子をPET樹脂に塗布した4種類の シートを並べて、光の反射率が違う各層の映像を重ねて見ることによって人の目が奥行きのある映像として認識できるスクリーンを開発しました。スクリーン前 方から光をあてる反射式でも、後方から光を当てる透過式を用いた場合でも3次元画像として認識されるほか、基本に透明な樹脂であればスクリーンの土台とし て利用できます。また、専用ソフトなどは不要で既存の2次元画像をそのまま使用でき、大型のスクリーンも簡単に作ることが可能で、室内を暗くする必要もあ りません。

前田教授と黒田研究員は、「今回の研究では、化粧品のファンデーション開発で用いられている技術に着想を得ました。ファンデーションには透明な樹脂の微粒 子が配合されており、それが光を反射することで透明感のある自然な肌の質感を出しています。今回の受賞は、そうした異分野の研究を生かした新しい着想の技 術であることが評価されたのだと思います。まだまだ原理が未解明のところも多いので、今後も研究を積み重ねて実用化を目指していきたい」と話しています。

デザイン分野での産学連携活動の成果を発表しました