原子力工学科主催の「原子力シンポジウム2014」を開催しました

工学部原子力工学科では、建学祭期間中の11月2日、3日に湘南キャンパス16号館で、展示や特別講演を 通して原子力技術や放射線について紹介する「原子力シンポジウム2014」を開催しました。この催しは、原子力と放射線についての正しい知識や技術、現状 を知ってもらうことを目的に毎年行っているものです。展示の企画を学生が、講演を教員が担当し、地域住民や学生、本学科卒業生ら多くの来場者が訪れまし た。

展示コーナーでは、東京電力福島第一原子力発電所に用いられている沸騰水型原子炉(BWR)の構造や安全対策を解説したものや、レーザー核融合炉、 次世代型原子炉の長寿命化・安全性向上に関する熱流動安全工学、廃炉や高レベル放射性廃棄物の地層処分などについて、パネルや模型などを使って紹介しまし た。また、本学科の学生が実習授業や研究で使用している「東海大学原子炉模擬実験装置」をパネルで展示し、装置を使った測定データとあわせて解説しまし た。

学生たちは、「展示内容について興味深く聞いてくださる来場者も多く、日ごろの学びの成果をくわしく説明できました」「原子炉工学や放射線について の情報ばかりでなく、燃料電池を子どもたちに楽しんでもらえる実験なども人気でした」などと話しています。来場者からは、「原子力との向き合い方は日本人 みんなで考えるべき問題なので、こういった勉強の機会を大切にしなければならないと思いました」などの声が寄せられました。

なお、3日の特別講演では大阪大学大学院工学研究科の村田勲教授が、「次世代がん治療ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状と展開」と題して講 演。学生や地域住民、卒業生ら約80名が聴講しました。村田氏は、放射線治療の一種で中性子を使った最も新しいがん治療法であるBNCTについて原理から 説明。中性子をがん細胞にスポット的に当てることができ、正常細胞への被ばく量が少なくてすむため、人体への負担が少ないことや、現在BNCT用のコンパ クトな加速器の建設を目指している現状を詳しく説明しました。

原子力工学科主催の「原子力シンポジウム2014」を開催しました

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