橋本巨副学長がウェブハンドリング技術研究会創立10周年記念イベントで講演しました

橋本巨副学長がウェブハンドリング技術研究会創立10周年記念イベントで講演しました

東海大学の橋本巨副学長(工学部教授)が、5月9日に東京・霞が関の東海大学校友会館で開催された「ウェブハンドリング技術研究会創立10周年記念イベン ト」で講演しました。本研究会はウェブハンドリングに関する基本技術の勉強を通じて会員相互が知見を広めるとともに、各企業の匠の技に理論的成果をプラス して国際競争力のある企業体質を構築することを目的とした団体で、国内外の企業約40社が会員となっています。橋本副学長は2005年4月の創立当初から 会長を務め、さまざまな勉強会を開くなど活発な活動を行ってきました。当日は「ウェブハンドリング技術の進展~技術の現状とプリンティッド・エレクトロニ クスへの応用~」をテーマに講演し、会員企業の研究者など約90名が参加しました。

「ウェブ」とは新聞などの印刷物や磁気テープ、液晶モニター用光学フィルムなど、幅が広い長尺素材全般を指します。これらを搬送して巻き取る「ウェブハン ドリング技術」は、製紙、印刷やフィルムの搬送工程などさまざまな分野に応用されているほか、薄膜を利用した太陽電池などへの応用が期待されています。橋 本副学長は、日本の経済状況や工業界における世界の中の日本の位置づけを分析しながら研究会の10年を振り返り、自ら研究開発にかかわったウェブハンドリ ングに関するさまざまな技術や特許について解説しました。

また、毎日継続して新聞の科学技術関連記事を読んで技術のトレンドを把握し、常にビジネスモデルを考えて、本学内にとどまらず産官学連携での研究テーマを 選んできたことに触れ、「新技術が市場に出るのを待つのではなく、自分が先頭を走って見つけ出すことが必要です」と力説。さらに「基本的な技術を確立すれ ばさまざまな方向に研究開発を展開できる」と基礎研究の重要性について言及し、「ウェブハンドリング技術についてアメリカや中国、ヨーロッパとの激烈な競 争に勝ち抜くためには、日本全体が一体となっての研究開発を進める必要があります」と語りました。

当日は特別ゲストとして、プリンティッド・エレクトロニクス分野の権威である、独立行政法人産業技術総合研究所計測・計量標準分野の八瀬清志副研究統括、 山形大学有機エレクトロニクス研究センター副センター長の時任静士教授、東京大学工学系研究科電気系工学専攻の染谷隆夫教授を招待。「今後はウェブハンド リング技術とプリンティッド・エレクトロニクス技術の融合が極めて重要です」「ウェブハンドリング技術の一層の高度化を目指して、20年は本会を続けてほ しいと思います」との言葉をいただきました。

出席者は「”実験室からマーケットへ”という橋本先生の思いが伝わってくる講演でした」「橋本先生がこのような研究会を継続し、盛り上げて日本企業の力を養ってくださったことに感謝します」などと感想を語っていました。

なお橋本副学長はウェブハンドリング技術の発展のため、同研究会のほか日本機械学会に属する柔軟媒体ハンドリング技術及び応用プロセスに関する研究分科会の運営にも主査として携わっています。

橋本巨副学長がウェブハンドリング技術研究会創立10周年記念イベントで講演しました