航空宇宙学科でPBLの手法を用いて自ら学ぶ力を身につける授業を開講しています

工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻では昨年度から、プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)の手法を用いた新しいスタイルの実習授業を開講しています。自ら考えながら課題を解決していくなど、社会人に欠かせない力を身につける機会の一つとして、3年次生春セメスターのオムニバス授業「航空宇宙学実験2」として開いているものです。この授業は、航空宇宙学に関する専門分野の基礎科目で、本学科の教員が用意した7つのプログラム(1つのプログラムは4週で構成)の中から学生が希望するものを選択して受講。PBLを使った授業は角田博明教授が担当しています。

授業では、温度センサやスピーカーなどを組み合わせてさまざまなものづくりを体験できるマイコンボード「Arduino」を使用。学生たちは2~3名のグループを作り、水平になると音が出るセンサや、室内の明るさの変化を感知してLEDが点灯する回路などの課題に挑戦します。2年次の秋学期にArduinoの基本的な使い方を学んできた学生たちは、ティーチング・アシスタントのアドバイスを受けつつ、マイコンボードにセンサやLEDを取り付ける計測回路を考え、Linuxを使ってプログラムを打ち込みながら、何度も試行錯誤を重ねていきます。その過程では、参考にした資料に準じて組んだはずのプログラムが作動しなかったり、センサの取り付け位置や配線を間違えて予期しない動作をしてしまったりとトラブルも起きましたが、そのたびに問題点と解決策を話し合い、修正を重ねていきました。最後に狙った形で計測回路ができたときには、満足そうに笑顔を交わしたり、「よし」と思わず声を上げたりする姿が見られました。

角田教授は、「大学生には、自ら学ぶ意欲を持って勉学に取り組むことや自ら手を動かしながら学んだことを生かしていく力が求められます。それは、社会人にとっても必要なことなのですが、今の学生はその経験が圧倒的に不足していることから、この授業を企画しました。本学科では、学生有志がロケットや宇宙探査機、航空機などの開発に挑む特別プロジェクトを行うなどPBLを積極的に取り入れており、今後も授業改革などを通じて学生の主体性を育む取り組みを展開していきたいと考えています」と話しています。

学生たちは、「実際に手を動かしながら自分で調べて学んでいくので、講義を聞くだけよりも知識が記憶に残りやすいという印象を受けています。”そうなんだ”と何となく知っているだけで終わらせてはいけないことがよくわかりました」「課題の答えは一つですが、そこにたどり着く手順や方法は無数にあり、その中から自分たちで選んで解決していく貴重な経験ができたことは、今後の研究活動にも役立つと思います」と成果を語っていました。

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