サウジアラビア王国のKAUと進めているソーラー無人飛行機の試験飛行を実施しました

サウジアラビア王国のキング・アブドゥル・アジーズ大学(KAU)と東海大学工学部が共同で進めている「ソーラー無人飛行機プロジェクト」が、5月30日に群馬県太田市で新型機「サンファルコン2」の試験飛行を実施しました。同プロジェクトは2012年に「5日間昼夜連続飛行」を成功させることを目的に発足。東海大学からは工学部航空宇宙学科の平岡克己教授を責任者に、航空宇宙学科、電気電子工学科、精密工学科の学生約20名が学科の垣根を越えて共同で参加しています。2013年にはサウジアラビアおよび日本で翼幅3.7mの「サンファルコン1」の試験飛行を成功させ、データを蓄積してきました。

そのかたわら、約1年前から夜間飛行も可能にするため、翼幅を7.6mに拡大した「サンファルコン2」の開発に着手しました。情報教育センターの新井啓之講師や航空宇宙学科の福田紘大准教授の指導のもと「1」で集めたデータを活用し、両大学で連絡を取り合いながら機体を設計、電子部品を選定し、バルサ材から必要な部品を一つひとつ切りだして製作を進めてきました。

30日の試験飛行には、KAUのユーセフ・A・アル-トゥルキー(Yusuf A.AL-Turki)研究部長とプロジェクトを指導しているウェイル・I・ハラサニ(Wail I.Harasani)准教授、平岡教授のほか、水書稔治教授、福田准教授(航空宇宙学科)、木村英樹教授(電気電子工学科)らも参加しました。学生たちは、前日から現地に入り、機体の組み立て作業を実施。電気系統を調整し、機体を組み立てた後、試験飛行を行いました。高回転のプロペラが回り出すと機体はスムーズに離陸し、晴れ渡る大空を旋回していました。今後は、機体に搭載したデータロガーから取ったデータを解析し、機体を改良するなどしてノウハウを蓄積。今年12月にはサウジアラビアでKAUの学生とともに改良型の機体を完成させる予定です。

学生たちは、「だれも成功したことのないプロジェクトに参加していることに喜びを感じています。今日の試験飛行では課題も数多く見つかったので、一つひとつ問題を解決して、12月には機体を完成させたい」と話していました。また、ハラサニ准教授は「サウジアラビアでは現在、グリーンエネルギーの研究開発を推進しています。そうした中で、東海大と進めているこのプロジェクトは、文化の違いを超えたすばらしいプロジェクトになっていると考えています。われわれの側でも7名の研究者と10名の学生が日夜研究に取り組んでおり、素晴らしい成果を上げられると期待しています」と語っています。

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