「原子力専門講座」第5回講演会を開催しました

工学部原子力工学科では7月17日に湘南キャンパスで、「原子力専門講座」第5回講演会を開催しました。専門家による講演を通して原子力工学にかかわる研究や技術に触れるとともに、専門家同士の意見交換に参加することで、今後の学習や研究に役立ててもらおうと実施しています。「工学部セミナー」として本学科以外の教職員や学生、日本原子力学会員にも公開され、当日は学生と教職員、原子力分野の専門家・技術者ら約65名が参加しました。

今回は、三菱原子燃料(株)の清水純太郎氏が「原子力発電炉(PWR)燃料の設計と製造」と題して講演。清水氏は、発電炉の一つである加圧水型原子炉(PWR)の構造や燃料の特徴を紹介した後、燃料棒の構造や材料、各部を設計する際の考慮事項などを解説し、燃料棒や燃料棒集合体などの部品・模型を回覧しました。その上で、温度変化への対応や金属疲労への対応など燃料棒の性能を評価する試験の流れを実際のデータを交えて紹介し、燃料の製造過程、現在開発している燃料棒の概要を説明。「今後は、これまで以上に燃料の耐久性・経済性を高めることが求められると予想されます。そのためには新たな材料が主役になっていくため、今後も研究課題は数多く残されています」と語りました。

参加した学生たちは、「燃料の概要については授業で学んでいましたが、実際の研究で使用されているデータを見ながら現場の方の話を聞けたので、原子力発電施設についての理解が深まりました。また過去に海外で起きた燃料棒関連の事故の実例をもとに対策を学べたので、注意すべき点について具体的なイメージがつかめたのもよかった」と話していました。

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