生命化学科と応用化学科の教員が「日本糖質学会」の運営に携わりました

7月31日から8月2日まで文京区の東京大学で開かれた「日本糖質学会」で、工学部生命化学科の小島直也教授と糖鎖科学研究所の蟹江治教授が組織委員として運営に携わりました。この学会は、糖質の総合科学に関する基礎や応用研究の向上・発展を図り、研究者や技術者の交流を深めることを目的に活動しています。今回は、東海大学総合科学技術研究機構の助成を受けて開かれたもので、小島教授と蟹江教授のほか、生命化学科の金森審子教授と工学部応用化学科の稲津敏行教授が、それぞれプログラム委員とアドバイザーを務めました。

「グライコストリーム ; 新概念 • 技術から融合領域へ」をテーマに行われた年会には、全国から約600名が参加し、200件をこえる研究について発表されました。期間中には、東大名誉教授の山川民夫教授の文化功労賞受賞を記念した「山川レクチャー」をはじめとする特別講演やシンポジウム、セッション発表なども実施。稲津教授がシンポジウム「日本医療研究開発機構のミッションと展望」で座長を、金森教授がセッション「癌・疾病」でオーガナイザーを務めました。

小島教授は、「糖質科学だけでなく他分野との連携を広めることが大きなテーマに設定されていました。報告された研究成果の中には、iPS細胞を使って培養された細胞の中からがん化するものだけを取り除くものや、がんの早期発見のために糖鎖を利用する研究、海藻から抽出された多糖類を用いて体内から重金属を取り除く研究など、医療や食品化学など幅広い分野への応用の可能性が広がっていることが明らかになってきました。各種の糖類は、人間をはじめとする高等動物でウイルスの除去など生体防御や維持にも大変重要な役割を果たしていることが明らかになっている反面、未解明の部分も多いのが現状です。日本が世界的にもリードしているこの分野で、これからも糖鎖の合成と利用の双方の研究分野の融合を図りながら、ライフサイエンスの中で生かせる研究に取り組んでいきたい」と話しています。

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