工学部では8月19、20日に、付属高輪台高校が文部科学省の指定を受け実施しているスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)クラスの2年生を主な対象にした研修プログラム「課題実験・夏期集中」を行いました。本学では、SSHクラスの生徒が1年かけて展開する研究の中で生じる問題の解決や関連する内容について、本学の施設を生かした講義や実験を通して高輪台高の取り組みに協力しており、今回の研修もその一環として実施しているものです。自然科学への興味を広げることが目的で、高輪台高で理科を担当する教員と本学の教員が話し合ってプログラムを作成。今回は約40名が参加しました。
生徒たちは事前の希望に応じて、化学や微生物、放射線、数学など8コースに分かれて受講。このうち、工学部生命化学科の笹川昇教授が担当した「微生物コース」では、吸光計を使って菌がどの程度増えていくのか観察する一方で、段階的に濃度を希釈した大腸菌をシャーレで培養。1日おいたあと、菌の数を計測して結果を評価する方法などを学びました。一方、稲津敏行教授をはじめとする応用化学科の「化学コース」では、生徒が取り組んでいる課題研究について、ティーチングアシスタントの学生と教員がアドバイス。大学にある分析機器を使いながら、生徒と一緒に実験して結果を分析したり、より効果的な研究とするためのアドバイスをしたりと、グループごとに活動しました。
生徒たちは「内容が高度で難しいのですが、実験の面白さも感じています」「大学の先生が丁寧にアドバイスしてくれるのがとてもうれしい」と感想を話していました。また高輪台高の教員らは「自分たちの研究で行き詰まったときにも大学の先生から助言を得られるなど、高校にとって大変有意義な交流ができています。高校では扱うことができない最先端の機器を使って勉強することで、生徒たちが研究に対する取り組み方や考え方、姿勢などを身につけられるのもメリットです」との声が聞かれました。