大学院生が日本材料科学会若手討論会のプレゼンテーション賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の佐藤至弘さんが、日本材料科学会若手討論会のプレゼンテーション賞を受賞しました。この賞は、8月26日に東京・墨田区にある千葉工業大学で開かれた討論会参加者の中から、特に優秀な発表をした学生に贈られるものです。

佐藤さんは、「金属酸化物ナノ材料ガスセンサーの設計と作製」と題して発表しました。この研究は、創造科学技術研究機構のセルゲイ・クリニッチ准教授と工学部機械工学科・岩森暁教授の指導を受けて取り組んでいるものです。現在広く用いられているガスセンサーでは1種類のガスしか検出できていないという課題がありました。この研究では、クリニッチ准教授の持つ「液中レーザーアブレーション」というレーザー加工技術を使って作成した酸化スズや酸化亜鉛のナノ粒子を検知装置に利用し、複数のガスを一度に検出する技術の開発を目指しています。佐藤さんは、ステンレス製の箱の中にセンサーチップと粒子を入れて実際に温め、ガスを実際に検出して性能を検証できるようにしました。佐藤さんは、「岩森教授の研究室から参加した先輩たちが2年連続で受賞していただけに、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。学会発表自体が初めてだったので、今後に向けた励みにもなりました。この研究は、ガスセンサーという機械工学の技術とナノ粒子のという化学分野が融合した点に魅力を感じています。真空中で行われる宇宙空間での実験では、においが生じないため万が一ガスが発生すると実験者に危険がおよぶ可能性があります。そうした場所での安全確保などに利用できる技術なので、今後もしっかり研究していきたい」と話していました。

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