大学院生が国際学会「International Conference on Magnet Technology」で研究成果を発表しました

大学院工学研究科金属材料工学専攻2年次生の松村亮佑さんが、10月20日に韓国・ソウルで開かれた国際会議「International Conference on Magnet Technology」で研究成果を発表しました。超電導に関するこの学会には、韓国やアメリカ、ヨーロッパなど約30ヶ国から1000人を超える多くの研究者が参加しました。

松村さんは、材料科学科の山田豊教授の指導を受けながら取り組んでいる超電導を用いた新しい電流リードに関する研究成果を発表しました。現在用いられている電線は電気が通るときに電気抵抗によって熱が発生するため、発電所などから家庭に届くまでに一定量が無駄になってしまうという欠点があります。松村さんは、超電導の技術を応用し、YBCOという新しい超電導材料を用いることでそのロスを少なくすることを目指しており、比較的安価な液体窒素を冷却剤に使用して超電導状態をつくり出すことで、より高効率の電流リードを実現しようと研究に取り組んでいます。今回の学会では超電導テープ線材を16本組み合わせた電流リードを試作し、その通電特性や電流の分布を調べた結果を発表しました。松村さんは、「電流リードの研究は海外で盛んに行われており、学会では手法やその理由について多くの質問が寄せられました。自分の研究室で考えているだけでは得られない情報を知ることができ、発想の幅を広げられました。私はJR東海に就職が決まっているので、将来は大学で学んだ知識を生かしつつ、超電導リニアの研究開発に関われればと思っています」と話していました。

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