工学部生命化学科4年次生の藤巻知央さんが、12月1日から4日まで神戸市で開かれた「第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会」で口頭発表しました。両学会は生命科学分野を代表する学術団体で、通常は単独で大会を開いていますが、今回は5年ぶりに合同大会を開きました。藤巻さんは応募のあった数千の一般発表の中から選ばれ、大学院生以上の若手研究者とともに口頭発表を行いました。
藤巻さんは「ヒト大脳皮質の神経回路の三次元解析」のテーマで、本学科の水谷隆太教授の指導を受けながら、本学の医学部や東京都医学総合研究所、高輝度光科学研究センター(SPring-8)などと協力して取り組んでいる研究成果を発表しました。この研究では、マイクロメートルやナノメートルのスケールで三次元構造を可視化できるマイクロトモグラフィ(マイクロCT)法を使ってヒト大脳の神経回路を解析。3次元モデルを作成するとともに、神経回路の基本様式の一つに出力と入力を互いに接続し合う帰還回路があるとの仮説を立てました。「学会に出ること自体が初めてでしたが、水谷先生の指導のおかげで無事発表することができました。準備を進める中で、これまでに使用した実験施設や学んできた専門知識をあらためて振り返り、私自身もこの研究についての理解を深めることができたと考えています。就職してからも、研究室で学んだ知識や今回の口頭発表で培ったわかりやすい資料にまとめるスキルなどをできる限り生かしていきたい」と話しています。