材料科学科の宮沢教授が「現場に役立つろう付技術講習会」で講師を務めました

工学部材料科学科の宮沢靖幸教授が、12月4日に東京都千代田区で開催された「現場に役立つろう付技術講習会」(主催=一般社団法人日本溶接協会ろう部会)で講師を務めました。この講習会は、航空宇宙や電気電子、機械加工などの幅広い分野で用いられている「ろう付」技術について、製造の現場で活躍している技術者が学ぶ機会として企画されたもので、都内の企業を中心に約60名が参加しました。

当日は、ろう付技術の基礎知識と作業を行う際の注意点を渡辺健彦氏(新潟大学名誉教授)と松康太郎氏(東京ブレイズ株式会社)が講演しました。その後、近年重要性が高まっているステンレス鋼のろう付技術について、宮沢教授が講義。厨房機器から自動車のエンジン部品まで幅広く利用されているステンレス鋼を接合するろう材の概要を説明した後、ニッケル系のろう材を使ったろう付プロセスと注意点、冶金学的な手法を用いた組織解析などを説明しました。

宮沢教授はこのほかにも、10月29日に海老名市にある神奈川県産業技術センターで開催された「神奈川県ものづくり技術交流会」の熱処理技術フォーラムで、「各種金属材料のろう付と界面組織観察」と題して講演しています。「金属同士を接合するろう付は、日本の製造業を支える重要な役割を果たしてきましたが、これまでは長く技術者の経験に頼ってきた部分がありました。その一方で研究としては分野が細分化されており、この技術についてあらためて広い視野からとらえ直すことが重要になっています。また、材料メーカーも単に製品を納品するだけでなく、その後の利用に関しても目を向ける必要があるとの観点から、ろう付技術に着目している傾向もあります。本学科は元々ろう付技術などの表面加工処理を得意としてきた伝統を持っており、その意味でも今後もこうした要請に積極的に応えていきたい」と話しています。