大学院生が神奈川県ものづくり技術交流会でポスター賞を受賞しました

大学院総合理工学研究科総合理工学専攻(博士課程)1年次生の八十田穣さんが、「神奈川県ものづくり技術交流会」(主催:神奈川県産業技術センター、神奈川県産業技術交流協会)のポスター賞を受賞。12月15日に湘南キャンパスで、神奈川県産業技術センターの担当者から賞状と盾、副賞を受け取りました。

この技術交流会は10月28日から30日まで、大学や研究機関、企業の研究・業務の成果を発表し、産学公の交流と連携を促すことを目的に海老名市で開催されたものです。神奈川県内にある企業の研究者や学生が研究成果を発表。このうち若手研究者による優れた発表にポスター賞が贈られました。

八十田さんは、ライターやガスコンロの着火点に広く用いられているペロブスカイト型圧電材料の高機能化を目指す研究に取り組んでいます。技術交流会では、圧電材料に使用するチタン酸バリウム薄膜の性能をコンピュータ・シミュレーションで予測する手法を発表。実際に作成した薄膜を使った実証実験でもほぼ同じ結果が出ることを報告しました。ペロブスカイト型圧電材料の研究では、性能を向上させるためにさまざまな添加物を配合する実験が行われてきましたが、これまではすべての試料を使って実験しなければ性能が判明しませんでした。八十田さんのシステムを使えば、一般的なコンピュータでシミュレーションできることから、これまでよりも効率良く研究を進めることが可能になります。「これまでの研究でチタン酸バリウムを使った際のシミュレーションは可能になりましたが、圧電材料にはほかにもさまざまな元素が用いられています。今後は対応できる元素を増やすとともに、より高機能のシステムを作り上げ、いつかは実社会に生かせる成果を残せる研究者になりたい」と話しています。

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