大学院生が日本材料科学会主催の研究会でプレゼンテーション賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の細谷和輝さんが、日本材料科学会主催の「第3回表面・界面のメゾスコピックサイエンスとプロセッシング研究会講演会」で若手奨励賞を受賞しました。11月25日に東京都千代田区で開かれた同講演会で行われた若手研究者によるポスター発表の中から、特に優れたものに贈られる賞で、細谷さんのほか4名が受賞しました。

細谷さんは「電磁スピン共鳴による空間中での活性酸素量種の定量」と題して、工学部機械工学科の岩森暁教授の指導を受けて取り組んでいる研究成果を発表しました。細谷さんは、高い酸化作用をもち、表面改質技術や減菌技術などへの応用が期待されている活性酸素種のなかでもとくに酸化力が強いと考えられているヒドロキシラジカルに着目。電子スピン共鳴という技術を用いて定量的に計測する手法を開発しました。これまで、電子スピン共鳴ではヒドロキシラジカルの捕捉剤を水溶液中に溶解するため、空間中での生成量を正確に計測することができませんでしたが、この手法によって実験容器内で発生したヒドロキシラジカルの計測に成功、発表では高湿度と低湿度の環境下でそれぞれの生成量の違いを計測した結果を発表しました。

細谷さんは、「研究室に所属する大学院2年次生の先輩たちは皆、学会で賞を取っており私も今回その一人となることができてほっとしています。今回の研究以外にも活性酸素を使った表面処理技術の研究を進めており、細胞が付着・成長しやすく人体への害が少ない材料表面に変える表面処理技術の開発にも取り組んでいます。この研究室では、4年次生までに学んだ機械工学の基礎知識に生物学や化学の知識を組み合わせて幅広い専門分野に対応できる力がつくのが魅力。これからもしっかりと研究を深めていきたい」とコメントしています。

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