機械工学科の学生が日本機械学会関東学生会のベスト・プレゼンテーション・アワードを受賞しました

工学部機械工学科を3月に卒業した田中雄介さんと明戸洋介さん(ともに大学院工学研究科機械工学専攻1年次生)が、3月10日に東京都内で行われた日本機械学会関東支部主催の「関東学生会第55回学生員卒業研究発表講演会」でベスト・プレゼンテーション・アワードを受賞しました。

田中さんは、「ヒト由来腎細胞を用いた腎機能再現デバイスの構築」と題して本学科の木村啓志准教授の指導を受けて取り組んだ成果を発表。シリコーンゴムの一種であるPDMSという物質を利用して腎臓の機能を代替するマイクロ流体デバイスを作製し、実際に医薬品やアミノ酸を使った実験で生体内の機能と比較した成果を発表しました。

一方の明戸さんは、「溝形状が異なるドライガスシールの正・逆回転時における気体流れの可視化実験」と題して、橋本巨教授と落合成行教授、砂見雄太講師の研究室で行った成果を発表しました。ジェットエンジンなどに用いられ、機械内部の液体が外に漏れ出したり、外部からチリなどが入ったりするのを防ぐ働きをするドライガスシールという部品に着目。なかでも軸と接触しない非接触型のシールに溝を掘って高効率化したものを用い、64mmの半径で軸とのすき間が60μm(髪の毛1本分くらい)のシールを毎分2000回転させた際の空気の流れを可視化することに成功した成果を発表しました。

田中さんは、「受賞が決まったときには思わずガッツポーズがでるほど喜びました。腎臓はその性質に未解明の部分が多く、他分野に比べてまだまだ研究が進んでいないのが現状です。その中で、試行錯誤を続けてきた成果を評価していただいたことに感謝しています。とはいえ、研究はまだ始まったばかりで、完成にはほど遠いのが現状です。これからも、一つずつ課題を解決しながら、新薬開発コストの低減などに少しでも貢献していきたい」とコメント。明戸さんは、「この研究は基礎的な分野であるため、エンジンの羽をはじめほかの回転機械内部でおきている運動の可視化にも応用できる可能性があります。今後は、数値解析のデータなどとも比較しながら、ドライガスシールの理想的な形状を追い求めていきたい」と語りました。

なお今学会では、工学部精密工学科をこの春卒業した大塚亮さんも「アキレス腱組織の微視的強度観察」のテーマでベスト・プレゼンテーション・アワードを受賞しました。

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