光工学専攻と電気電子工学専攻の大学院生が応用物理学会などで研究成果を発表しました

大学院工学研究科光工学専攻2年次生の田島直弥さんと大学院工学研究科電気電子工学専攻1年次生の成田彩希さんが昨年12月4日に、台湾・国立精華大學で行われた「Optics & Photonics Taiwan , International Conference(OPTIC)」で、3月4日には東京・東京工業大学大岡山キャンパスで開かれた「応用物理学会春期学術講演会」でそれぞれ研究成果を発表しました。

田島さんは、室谷裕志教授の研究室で開発した新型の複合成膜装置の性能評価について研究しています。OPTICでは3つの企業から市販されているアクリル板を使って、成膜装置の性能を評価した結果を報告。応用物理学会では2層から4層の多層膜を作成し、現在用いられている一般的な装置に比べて短時間で成膜できるうえ、はがれにくい性質があることを確認したと発表しました。

一方の成田さんは酸化セリウムを材料に使って、赤外用の光学薄膜を電子ビーム蒸着法で生成する技術について発表。OPTICと応用物理学会では、実際に作成したものの性能についてそれぞれ実験内容を変えて検証し、現在一般的に用いられている硫化亜鉛やジンクセレンという加工時に有毒ガスを発生する恐れのある材料に比べても良好な性能を持つことを報告しました。

田島さんは、「OPTICには学部生も同行したため、今回は後輩の指導をしながらの学会参加となりましたが、指導力などで自分なりに成長できたと思います。今回は2回目の国際学会発表になりましたが、英語でのプレゼンテーションも前回よりもしっかりできたと思います。また、応用物理学会では口頭発表を行いましたが、こちらも質問者の意図をくみ取りながら、的確に答えることを意識して受け答えできました。将来は、成膜だけでなく装置にも精通して、薄膜の分野で第一人者と呼ばれるような人材になることを目指しており、これからも知識と経験をしっかり身につけていきます」とコメント。成田さんは、「OPTICは、英語力の必要性や自分からアピールすること、わかりやすいポスターを作る大切さを痛感し、応用物理学会では何度も発表経験を積むことの重要性に気がつくなど課題を見つけることができました。将来は、自分ならではの成膜技術を身につけ、女性のエンジニアとして後輩たちが目標としてくれるような人材になりたいと思っています」と語りました。

なお応用物理学会では、田島さんと成田さんの他にも室谷教授の指導を受けた下記の3名が研究成果を発表しました。

竹上真治さん、椎名赳智さん「TiO₂光学薄膜の結晶構造と機械的特性(Ⅱ)」
宮川とも子さん「ニオブとチタンの複合酸化物光学薄膜における光学特性の評価(2)」
※発表時の学年はいずれも4年次生

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