工学部建築学科が「卒業設計・建築デザイン展」とシンポジウムを開催しました。

工学部建築学科は4月8日から10日まで横浜市・象の鼻テラスを会場に「東海大学卒業設計・建築デザイン展2015」を開きました。今年で6回目の本企画は、建築学科の卒業制作を展示することで、学びの成果を広く一般に知ってもらうことが目的。1月に湘南キャンパスで実施した審査会で優秀作品に選ばれた卒業設計など14作品と、建築新人戦最優秀賞や住宅課題賞受賞作など課題優秀作品4作品の模型や設計説明ボードを展示し、最終日の10日には、建築家の田島則行氏と、廣部剛司氏をゲストコメンテーターに招いて、シンポジウム「いま、どのように歴史的コンテクストを読むのか? フィールドワークから卒業設計へ」を開催。学生や卒業生を含めた約30人が参加しました。

シンポジウムでは2015年度卒業生の本井加奈子さんと内堀克哉さん、大学院工学研究科1年次生の村上真緒さんが、それぞれの卒業制作について解説。作品の仮定建設地の土地柄や歴史などをどのように設計に落とし込んでいったのかを15分程度で説明しました。本井さんは、自身が18年間住んできたという茨城県土浦市を歴史的コンテクストからアプローチした卒業制作について発表。「土浦市は今、ベッドタウンとして都市開発されており、街としての個性を失っていると思います。土地に誇りと愛着を持ってもらうためにも、江戸時代に亀城があったという史実に着目し、歴史由来の都市構造を復活させました」と話しました。本井さんの発表後、ゲストの田島さんは「根底から都市を読んでいるのはすごい。私は、歴史とは構築的に読み、そこから発明すると考えています。昔あったものを別のものに置き換え、現代のあり方を考えるというのは、今日のテーマにも、私の考えにも当てはまると思いました」とコメントしました。

3人の発表が終わったあと、田島さんと廣部さんは、自身の経験や、手がけた作品を例に出しながら、どのように建築に携わっているのかを説明。廣部さんは「歴史的コンテクストを読み取るとき、古いからただ価値があるものとして見るのではなく、当時、その建物がどのように生かされていたのかという視点で見てみると、今あるべき建物の姿が見えてくると思います」と締めくくりました。

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