LSSPが宇宙で利用できる超軽量で小さく折りたためる探査機の開発に取り組んでいます

工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻の学生有志による団体「ウルトラライト・スペース・システム・プロジェクト」(LSSP)が、空気で翼を膨らませる「マルチセル型インフレータブルウィング」という技術を使った火星探査用の飛行機と、月面探査車(ローバー)を目指した試作品の開発に取り組んでいます。今年度は、翼幅2mの主翼を持つ機体を安定して飛ばすことに日本で初めて成功。展開時に直径75cm(収納時20cm×20cm×15cm)のホイールを持つローバーの走行実験も行いました。

このうち飛行機の開発は、本専攻の角田博明教授の研究室で2012年度に行われていた、マルチセル型インフレータブルウィングを持つ飛行機の研究を応用して13年度から取り組んでいるものです。フィルムで円筒形に形成したものに空気を入れて膨らませる構造になっているため、小さく折りたたんで持ち運べるほか、金属などを使ったものよりも大幅に軽量化できるという特徴を持っています。そのため、宇宙に運ぶ際にもコスト抑えられるといった効果があります。学生たちは、2013年度に市販のフィルムを使い、フィルムを均一に貼る方法や空気の漏れを防ぐ工法を考案しながら、翼幅1mの機体制作に成功。今年度は2mにサイズを広げたほか、位置や速度などのフライトデータを記録するセンサーを搭載した機体を開発しました。

ウイングの開発を担当している大泉賢一さん(3年次生)は、「最初は気軽な気持ちで始めたのですが、フィルムを貼り付ける方法がわからず約2カ月かけてようやく1本できるなど、試行錯誤の連続でした。その分、できあがったときの達成感は格別です。先生に教えてもらうだけの高校までとは違う、大学生だからこそできる貴重な経験ができています」と話します。また操縦を担当している金子稜さん(4年次生)は、「学生航空機プロジェクトという団体にも所属して模型飛行機の開発に取り組んでいますが、LSSPの飛行機はそれに負けないほどスムーズに飛行できるなど、大きな可能性を持った機体だと思います」と実感を語っています。

一方のローバーは2010年度から開発しているもので、タイヤのホイール部分にインフレータブル構造を採用。今年度は20cmの段差も乗り越えられるようにと、ホイールの大型化に取り組みました。開発を担当する加藤陸史さん(2年次生)は、「できる限り安く誰でも作れる構造にこだわって開発しています。機械系の知識だけでなく、電気回路などの知識も必要になるため、その都度勉強しながら手探りで作業を進めている中で、必要な知識を得る方法が身についてきました」と語っています。

プロジェクトの代表を務める永田貴之さん(4年次生)は、「過去に前例のない機器の開発に取り組むことにやりがいを感じています。大学で学んだ理論を設計で実際に使おうとすると、また別な知識が必要になることに気がつくなど理解が深まりますし、知識だけでなくものをつくる上で必要な経験や勘も養われていると実感しています。これからも一歩ずつ開発を進めていきたい」と話しています。

飛行の動画や活動の詳細はLSSPのホームページへ
http://space.ea.u-tokai.ac.jp/LSSP/

LSSPが宇宙で利用できる超軽量で小さく折りたためる探査機の開発に取り組んでいます