工学部研究会の「リポソーム研究会」が講演会を開催しました

工学部では昨年度から研究力向上を目指す新たな取り組みとして、「工学部研究会」をスタートさせています。学部内から募ったさまざまな研究テーマについて、本学部が支援することで、学科をこえた教員同士のネットワークづくりをうながし、さらなる研究の活性化につなげることを目的に導入したものです。今年度は、「生理活性物質・生体材料研究会」や「リポソーム研究会」など7グループが研究を進めています。

「リポソーム研究会」(代表=生命化学科・金森審子教授)は、7月12日に湘南キャンパスで、岐阜薬科大学の田原耕平准教授を招いた講演会「非侵襲的な投与方法を可能とする生体適合性ナノ粒子の開発 ―眼内注射を不要とするナノ粒子点眼製剤―」を開催し、本学部の学生や教員25名が参加しました。加齢性黄斑変性症や糖尿病性網膜症などの後眼部疾患は、眼球の奥部の病気であり、従来の治療法は硝子体内注射による薬物投与とされています。この治療法は、患者さんの苦痛や精神的及び経済的負担が大きいため、扱いが容易で安全な点眼製剤の開発が望まれています。田原准教授は、細胞膜と同じ成分でできている人工膜「リポソーム」で薬剤を包み、点眼投与する治療法について研究されており、講演会では、これまでの研究成果をスライドで説明され、「マウスなどで効果を確認した段階だが、今後はさらに人体への影響を調査し、安全性を高めていきたい」と話されました。また聴講した学生に向けて、「さまざまな科目を履修し、広いバックグラウンドを持って研究に臨んでほしい」とメッセージを送りました。

金森教授は、「最先端の研究を進めている田原先生から直接、詳細な話を伺える貴重な機会になりました。学生にとっても大きな刺激になったはずですし、今後も学部学科間を横断して、社会に貢献できる研究に取り組んでいきたい」と話しています。

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