現代教養センター・国際教養センター・工学部原子力工学科が協力して行う全学共通科目「科学・技術と社会 -科学技術のリスクと管理-」を、今年度から春セメスターに開講しました。文部科学省の平成25年度「国際原子力人材育成イニシアティブ事業」に採択された東海大学のプログラム「原子力国際基準等を基盤とした多層的な国際人材育成」が昨年度で終了したため、その一環として開講されてきた文理共通科目「テクノロジーと社会」の後継発展科目として位置づけています。また開講にあたっては、一般財団法人電力中央研究所、有限会社日本ヒューマンファクター研究所、公益財団法人核物質管理センターの協力を得ました。
高度な科学技術を用いている航空機や原子力発電施設の安全運用体制や人間工学に基づく安全確保の手法について、学内外の専門家が授業を担当。7月26日には、公益財団法人核物質管理センター理事の菊地昌廣氏が「核セキュリティと核テロ対策」をテーマに開講しました。講義では、原子力発電などに使われる核物質の管理に携わっている自身の経験をもとに、「核物質は適切に管理しなければならず、発電施設もハードとソフトウェアの両面からセキュリティ対策をする必要がある」と説明し、テロリストに向けた核セキュリティ対策、情報の入手と管理の方法、国際情勢の影響についても解説しました。また、自然災害への備えの事例として、東日本大震災後に原子力発電所で行われている技術開発・施策についても紹介しました。
学生からは、「東日本大震災後の対応など、これまで知らない事象を聞くことができて有意義でした」、「最先端の現場で仕事に携わっている先生の話を通して、より実践的に学べました」といった感想が聞かれました。