大学院生が日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウムで優秀発表賞を受賞しました

大学院工学研究科応用理化学専攻修士課程1年次生のサーワー・ジャワードさん(指導教員:応用化学科・樋口昌史教授)が、9月7日から9日まで広島大学で行われた日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウムで「優秀発表賞」を受賞しました。このイベントは、セラミックスに関連したさまざまな分野の研究者や学生が日本中から集う研究大会です。サーワーさんは、「セラミックス合成における水溶液プロセスの広がりと深化」のセッションにおいて「非イオン性界面活性剤を用いた球状メソポーラスシリカの合成」というタイトルで口頭発表を行いました。その研究成果が非常に優れていることが認められ、若手の研究者を対象として優秀な発表に贈られる賞を受賞しました。

サーワーさんは、現在、無機化学物質である球状メソポーラスシリカの合成に関する研究を行っています。球状メソポーラスシリカは、2~50nmのとても小さな穴が沢山ある均一な多孔質粒子です。この多孔質である特徴を生かして、次世代の吸着剤や分離物質、触媒、ナノマテリアルのホスト物質としての応用が期待されています。今回受賞したのは、合成する際に利用する界面活性剤を新しく選定して実験した研究成果で、合成した粒子表面に特異的な亀裂が現れることをはじめて発見し、特異的亀裂を持つ球状ポーラスシリカ粒子の形成機構を検討し明らかにしました。

サーワーさんは、「学会での受賞は初めてで大変うれしく思っています。現在は、発見した球状ポーラスシリカ粒子を用いて、生体分子や有害ガスの吸着実験を行っています。将来は医療や環境などの分野に応用したいと考えています。この物質の応用範囲を拡げるため、粒子径や細孔径が大きい球状メソポーラシリカ粒子の合成にも挑戦したいです。」とコメント。「私の所属している応用化学科では3年次生までは工学や化学の分野に関する幅広い知識を学びます。それを踏まえ、4年次生で研究室に所属し、興味のある分野を専門的に研究することができます。私は樋口先生の研究室で約2年研究を続けてきましたが、研究室は先生からのサポートが手厚く、学生の自主性も重んじてくれ、自分のやる気次第で何事にも挑戦できる環境であると感じています。残りの学生生活でできるだけ多くのものを吸収し、社会で生かすことのできる力を身に着けたいと考えています」と話しています。

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