湘南キャンパスで3月27日から29日まで、日本原子力学会「2017年春の年会」が開催されました。同学会では、原子力分野にかかわる研究発表の場として毎年春と秋に年会を開いており、本キャンパスでの開催は2005年以来12年ぶりとなります。工学部原子力工学科の大江俊昭教授が現地委員会の委員長をつとめ、本学科の教員が大会の企画運営に携わったほか、学生も運営スタッフとして活躍しました。
期間中は、核融合材料や医療用原子炉・加速器、放射線物理、保健物理・環境科学など原子力や放射線にかかわる幅広い分野の研究発表が行われたほか、一般市民にも解放される講座や学生によるポスターセッションなども実施。このうち現地委員会主催の特別講演「東海大学ソーラーカーの開発と活動」では、チャレンジセンター「ライトパワープロジェクト」ソーラーカーチームの木村英樹総監督(工学部電気電子工学科教授)が講演しました。木村教授は最初に、コミュニケーション力や創造性といった社会が求める力を身につけることを目的として2006年に開設されたチャレンジセンターを紹介。そのプロジェクトの一つとしてライトパワープロジェクトが活動し、電気自動車と人力飛行機、ソーラーカーの3グループに分かれていると説明し、「これらの開発には車体の軽量化技術をはじめ環境負荷を減らす技術がふんだんに取り入れられており、近年ではアラブ首長国連邦の石油資源大学と共同でソーラーカーを開発するなど、産油国からも注目を集めている」と話しました。その上で、ソーラーカーを通して企業と連携し太陽電池の高効率化技術や摩擦の少ないタイヤの開発などを開発してきた実例を紹介。学生たちが中心となり、30を超える企業や団体と協力関係にあると語りました。参加者からは、「各分野の技術を組み合わせる場合、最高の性能を出すためにどのような工夫をしているのか」や「機密保持はどのようになっているか」など多くの質問が寄せられました。
なお大会期間中には、同学会の学会賞の授賞式も行われ、布川大樹さん(大学院工学研究科応用理学専攻2017年3月卒業・日立製作所勤務)と菊池遼さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)がフェロー賞を受賞しました。