応用化学科が3年次生対象の工場見学を実施しました

工学部応用化学科の3年次生が6月1日に、静岡県御殿場市にあるキリンディスティラリー株式会社富士御殿場蒸溜所を訪問しました。本学科では1年次から3年次までの間に有機化合物や無機化合物のさまざまな合成方法と分析方法について、講義や実験を通して学びます。さらに、生産現場では欠かせない流体輸送や熱交換、蒸留の技術を学ぶ「化学工学入門」を2年次の秋学期に開講するなど、産業界で活躍する化学・工学技術者に必要な知識と応用力を持った人材の育成に取り組んでいます。今回の訪問は、実験科目の集大成である「応用化学実験3」の一環で、これまで学んできた技術が実際の現場でどのように活用されているのかを確認する機会として毎年実施しているものです。

同蒸留所では、製品製造や品質管理に関する映像資料を視聴したのち、スタッフの案内でウィスキーの原料から生産・出荷工程までの生産ラインを見学。学生たちはそのなかでも「ポットスチル」と呼ばれる単式蒸留装置や、「マルチカラム」と呼ばれる多塔連続式蒸留器の内部構造に高い関心を寄せ、「講義や実験で学んだ工程の相関を実際に確認できて有意義でした」、「蒸留酒ができるまでには、さまざまな工程や人、時間を経ていて、最終的には樽の中身が20%まで減ることを初めて知りました」といった感想が聞かれました。

引率した淺香隆教授は、「この工場見学は、講義で学び実験で体得した伝熱・蒸留・流動という技術がどのように応用されているのかを知るとともに、これから就職活動を控えた3年次生の進路選択の一助になると考えています。普段口にしている食品の製造過程を化学の目でとらえ、これまで学んできたことを整理し、自分の将来と向き合い、考えるきっかけとしてもらいたい」と話しています。

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