材料科学科・宮沢教授の研究が神奈川県立産業技術総合研究所の公募事業「平成29年度産学公連携事業化促進研究」に採択されました

工学部材料科学科の宮沢靖幸教授が関東冶金工業株式会社と共同で取り組む研究が11月2日に、独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所の公募事業「平成29年度産学公連携事業化促進研」に採択されました。この事業は、今後成長が期待される産業分野において中小企業などの開発ニーズと大学の研究シーズのマッチングをコーディネートし、事業化を促進することが目的です。今年度は宮沢教授らの研究のほか5件が採択されました。

宮沢教授らが採択された研究テーマは、「不均一加熱によりカーボン・カーボン複合材料(C/C)と金属材料のろう付を実現する新規工業炉の開発」です。C/C複合材料は炭素繊維を炭素で強化したもので、軽量で高い強度や断熱性を持つ次世代の材料ですが、ろう材をC/Cの全面に配置して接合しようとすると、C/Cと金属の熱膨張率の違いによってC/Cが割れてしまう欠点があります。今回の研究では、相互の接合に用いるろう材を、材料の一部にのみ配置。ろう材の置かれた場所のみを局所的に加熱できる新たな炉の開発を目指しています。

宮沢教授は、「C/C複合材料は現状、スポーツカーのブレーキパットなど一部の分野でしか使われていませんが、さまざまな性質を持つ異種金属を接合できれば、さらに活用の幅が広がると期待されています。できる限り低コストで安定的に接合できる炉を開発することで、産業界の発展に寄与したい」と話しています。