工学部生命化学科の金森審子教授が中心となって活動している「リポソーム研究会」が、11月30日に湘南キャンパスで第2回講演会を開催しました。本プロジェクトは、教員間の日常的な交流を促すことなどを目的に工学部が2015年度から実施している「工学部研究会」の採択プロジェクトの1つとして活動しているものです。当日は、リポソーム研究会メンバーの清水佳隆准教授や小島直也教授と親交のある北見工業大学工学部教授の高橋是太郎氏が、「厄介者のヒトデは同時に資源~萌芽的利用研究の現状」と題して講演し、学生と教員約30名が参加しました。
講演では、高橋氏が生命化学科の清水佳隆准教授らと共同で取り組んでいるヒトデを健康食品や化粧品原料に利活用する研究について解説。それぞれの物質の特徴やヒトの病気や魚の成長などに期待される効果などを説明し、清水准教授が特許を持つLibMec法を用いてヒトデから得たセレブロシドやリン脂質からリポソームを調製する手法などを紹介しました。
金森教授は、「そのままの状態では捨ててしまうような副産物からもヒトの健康やさまざまな産業に役立つ成分を抽出することが可能です。目的の細胞・組織に必要な薬剤を無駄なく運ぶために有用な、リポソームによるドラッグデリバリーに抽出した成分を利用することができます。今後も講演の内容を生かすとともに研究会のメンバーと協力し、地球にやさしくかつ標的に対して効率よく試薬を運べるようなシステムづくりに取り組んでいきたい。」と話しています。