大学院工学研究科機械工学専攻の学生が日本機械学会機素潤滑部門の卒業研究コンテストで最優秀発表賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の杉山直樹さんと平勇人さん(指導教員=工学部機械工学科・橋本巨教授、落合成行教授、砂見雄太講師)が、9月10日に日本機械学会機素潤滑設計部門の第24回卒業設計コンテストで最優秀発表賞を受賞しました。この賞は、前年度卒業研究に取り組んだ大学4年次生と高等専門学校5年生の研究について同学会の年次大会で口頭発表を行い、研究内容や発表のわかりやすさが優れた個人を表彰するものです。

杉山さんは、「尿素SCR内における液滴径の計測と空気流れの可視化」のテーマで受賞しました。この研究は、ディーゼルエンジン内の排ガス処理に用いられる「尿素SCRシステム」で重要となる、液滴の微粒子化と攪拌現象の可視化を目指すものです。今回の発表では、内部の構造を模擬する装置を製作して実験を重ね、現行のシステムよりも高効率な手法を提案しました。

一方の平さんは、「高周速および高荷重下のトラクションドライブにおけるキャビテーションの変化の観察」と題して発表しました。この研究は自動車やロボットの駆動部で広く利用されている「トラクションドライブ」の高効率化を目指すもの。研究では、実際の動作環境を再現できる装置を開発、ドライブ内の接合部で気泡が生じてしまう現象(キャビテーション)を可視化し、観察した結果を報告しました。

杉山さんは、「発表直前まで指導してくれた落合先生や先輩たちに感謝しています。自分自身をより成長させたいと思い、これまでの多くの先輩が学会賞を受賞しているこの研究室に入ったので、よい結果が出てほっとした面もあります。大学院にも進学したので今後はより幅広い分野を学び、実験と解析を組み合わせながら現在進めている研究をより深めていきたい」と話しています。また平さんは、「卒業研究の中間発表では、とても受賞など望めない状態だったのですが、先輩たちが的確な指導をしてくれたことが今回の結果につながったのだと思います。大学院ではあと1年半学べるので、この時間を生かして新しいスキルを身に付けたい。特にプログラミング技術を学んで、キャビテーションのシミュレーションも可能にし、実際の油の流れをより詳細に明らかにしたい」と話しています。

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