村山省己教授の研究室が日本国際工作機械見本市の併催イベント「国際工作機械技術者会議」のポスターセッションに出展しました

工学部機械工学科の村山省己教授の研究室が、11月1日から6日まで東京ビッグサイトで開かれた第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018・主催=一般社団法人日本工作機械工業会/株式会社東京ビッグサイト)の併催イベント「第18回国際工作機械技術者会議」(IMEC2018)のポスターセッションに出展。期間中は村山教授と研究室に所属する学生、大学院生計10名がブースに立ち、研究内容の説明に努めました。

JIMTOF2018は、工作機械とその関連機器などの内外商取引の促進とともに国際間の技術の交流をはかり、産業の発展と貿易の振興に寄与することが目的で、最新の機械が多数展示されます。今回は計1085社が出展し、期間中は約15万人が来場しました。IMEC2018はその併催イベントとして開かれており、国内外の大学・研究機関及び企業における工作機械関連の先端的研究開発の成果を口頭とポスター形式で発表するものです。今回のポスターセッションは、「工作機械及びその構成要素」「加工技術及び加工現象」「システムと制御技術」「計測・評価技術」「工具、ツーリングシステム」のカテゴリーで選考を通過した計71件の研究成果が出展されました。村山研究室では「工作機械及びその構成要素」に「“Tabletop Sized Factory”を目指した超小型NC機の開発と実用性評価」、「計測・評価技術」に「超音波振動を利用した新しい技法におけるねじの緩み状態の検査システムの開発」の2件を出展しました。

「“Tabletop Sized Factory”を目指した超小型NC機の開発と実用性評価」は、一貫生産ラインに対応した超小型NC機を開発するとともに、材料をローディング・アンローディングするためのハンドリングロボットや外部動力を必要とせずに材料を掴んだり離したりする冶具システムを開発することで、テーブルサイズで旋削加工などを行う工場の生産ライン自動化の実現を目指す研究です。研究室では昨年度に超小型NC機を製作しており、今回のポスター発表ではその静的・動的精度や複合加工機能の検証結果について紹介しました。奥村武士さん(4年次生)、山崎秀明さん(同)、らは、「このシステムが完成すると工場の無人化が進むほか、敷地の狭い中小の規模の工場でも導入でき、さらに材料や加工製品の移動、運搬がなくなるというメリットがあります。現在はNC機の検証を進めているほか、駆動源レスチャックやフレキシブルハンドなど各部品の完成を目指していますが、このような機会を通じて多くの企業の方たちに関心を持ってもらいたい」と話していました。

また、「超音波振動を利用した新しい技法におけるねじの緩み状態の検査システムの開発」は、これまで人の感覚に頼り、計測値の信頼性が低かったねじの緩みの検査法に対して、超音波で発生させた振動によって生まれる機械インピーダンスの変化を計測することで緩みの状態を判定しようという研究です。研究室では振動を加えた後の共振状態におけるインピーダンス変化の計測およびデータ化やパターン認識手法を用いることで的確な締結状態の判定に取り組んできました。ブースで来場者の質問に答えた常田幸宏さん(同)、藤原聖さん(同)と前田真吾さん(同)らは、「機械の専門家が集まる展示会ということもあり、質問に加えて研究内容に対する指摘も多く、研究を進めていく上で大変参考になりました。この検査システムが実現すれば、さまざまな場面で活用されるものになると思います。後輩たちにも引き継いでいければ」と話していました。

村山研究室_IMEC出展1_1100.jpg

村山研究室_IMEC出展2_525.jpg