応用化学科の苫米地助教が東京糖鎖研究会の奨励賞を受賞しました

工学部応用化学科の苫米地祐輔助教が12月1日に、東京糖鎖研究会の奨励賞を受賞しました。この賞は、糖鎖研究に従事し、注目に値する成果を収めた若手研究者に贈られるものです。

苫米地助教は糖鎖化学が専門で、なかでもエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(エンド-M)を用いてさまざまな糖鎖複合体を合成する技術を研究しています。エンド-Mという酵素は、目的の化合物に糖鎖を付ける酵素として注目されており、抗体医薬への応用も期待されています。研究室ではこの酵素と有機合成の手法を応用した独自の技術を用いて、より薬効の高い医薬品を合成する研究を進めています。また、現在、天然物から大量に糖鎖を抽出する手法として鶏卵から特定の糖鎖を抽出する手法が一般的ですが、ツバメの巣という別の調製源から形の違う糖鎖を簡単に抽出する方法の開発にも取り組んでいます。

「応用化学科の4年次でこの分野に飛び込んでから、これまで国内外の大学で目の前の課題を解決すべく研究を続けてきました。今回の受賞でこれまで10年以上続けてきた成果があらためて認められたことをうれしく思います。その一方で、今後さらにこの研究分野を盛り上げていかなければいけないという責任も感じています。糖鎖化学を医療分野に応用したいという思いで研究してきましたが、糖鎖化学の技術を使って新素材の開発もできると考えています。糖鎖化学は世界中で研究が進んでいる一方で、まだ薬として実用化できているものが少ないなど多くの課題と可能性を持っています。創薬をはじめさまざまなものづくりに応用できるようにするため、これからも研究を続けていきます」と話しています。

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